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トーシンチャレンジトーナメント 2008
池田勇太は2位フィニッシュ
500ヤードを超えるパー4の11番は、激しい雨とアゲンストの風で飛距離が出ずにまたもやボギー。
先にホールアウトしている青山浩嗣が驚異的な8アンダーで、単独首位に立っていた。
この時点で首位と6打差まで開き、決定的な試合展開になりかけたが、池田は諦めてはいなかった。
「こうなったら自分とコースとの戦い。行けるところまで行こう。」
そこからの快進撃は目を見張るものがあった。
13番で8メートルのバーディパットをねじ込むと、続く15、16、17番は3連続バーディ。
中でも16番、残り103ヤードのセカンドショットはキャリーでカップに入った。
しかし、勢い良く入ったがために大きくバウンドし、ピン奥に落ちた。
あわやイーグルのナイスショットも出て、首位と2打差まで詰め寄った。
首位の青山は怒涛の池田の追い上げに、プレーオフも考えパッティングの練習を始めた。
そして、最終組だけあってギャラリーや関係者が多く集まる18番。
固唾を飲んで見守るティショットはカート道路に跳ねて、林の中へ。
「すっぽり埋まってライがめちゃくちゃ悪い」。
あえなく出すだけのレイアップを選択せざるを得なかった。
「18番はパー5。最後、イーグルを取れれば…。」
133ヤードのサードショットに全てをかけた。
全身全霊の1打。
コース中に響き渡るほどの大きな声で、「入って!!」と願いを込めた。
ピンから30センチ程の所に落ちたボールは、無常にも先に打っていた同組の渡部光洋のボールにそのまま当たり、またまた池田のボールは大きく弾き飛ばされた。
しばらく頭を抱えしゃがみ込んだ。
「運が良くなかったのかも知れない。まぁ、これも最終戦に(運を)取っておいたと思うと良いかな。」と前を向いた。
そこから、優勝パットかと思わせるかのように、入念にグリーンの傾斜を読んだ。
「単独2位と2位タイでは全然違うから。」
優勝の他にも池田は狙っているものがある。
それはチャレンジの賞金王。
「何でも1位にならなきゃしょうがない。1位になると気持ち良いよ。」
今週は賞金ランキング1位の上平栄道が予選落ちをしたため、一気に2万円差まで詰め寄った。
「ここまで来たら、賞金ランキングは関係ないよ。最後に勝って終わるだけ。」
チャレンジトーナメント最終戦「PRGR CUP FINAL」で一つでも上に行った者が賞金王。
この状況に絶対の自信を覗かせた。