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石川遼「アメリカの風とか芝生に思いっきりぶつかっていきたい」

3月19日から開幕するUSPGAツアー『Transitions Championship For Healthy Sight』(トランジションズ チャンピオンシップ フォー ヘルシーサイト)に、主催者推薦で出場する事が発表されたのは一昨日の事だった。

石川にとって、USPGAツアーは夢の舞台。その夢の実現に大きな一歩となる1戦が決まり、23日(金)に記者会見が行われた。

緊張と喜びが混じりあった中、自分の思いを一つずつ再確認するかのように意気込みを述べた。
「信じられない気持ちで、嬉しく思っています」。

出場が決まった後には、さっそく昨年大会の映像をDVDで見直したが、出場が決まる前と決まった後で見るコースは、全く違う印象だった。
「木が多い」「池の絡んでいるホールが多い」「フェアウェイがせまい」
コースの特徴も多く見えてきて一言ポツリ。
「相当難しい」。

ただ、石川がたじろぐ事はない。
「アメリカの風とか芝生に思いっきりぶつかっていきたい。」

主催者のトランジションズ社も、「石川のキャリアにプラスに働き、インターナショナルな大会として世界中から選手を集め、日本からも注目が集まるだろう」と話し、推薦に自信を覗かせた。

また、出場が決まった翌日の夜には「うれしいサプライズ」があった。

家にかかってきた1本の電話。
「初め出たのは母だったんですけど、その時は普通の内容の電話だと思いました。ただ、テレビを見ていた僕に代わってくれって言われた時は、お母さんじゃ済まない話なんだ」と電話を代わった。

すると、最初は英語で内容は分からなかったものの、「『invite you,Masters』という言葉が聞こえて。マスターズに招待していただけるのかなって」。

石川にとっては、マスターズは憧れでもあり、壮大な夢の一つでもあった。
プロ転向時の記者会見でも、300人近い報道陣を前に、「I would like to win Masters(マスターズで優勝したい)」とはっきり言い放った。

プロ転向後からちょうど1年が過ぎた今。
憧れのマスターズの舞台を確かに手にした瞬間だった。
「ちょっと信じられなくて、無表情で笑顔になれずにいたんですけど、電話を切った瞬間に良かったねと声をかけてくれて。まだ実感が湧かずにいます。」と一夜明けて笑顔を見せた。

マスターズに向けても「まだまだ自分にとっては夢の舞台ですけど、ただこれからは目標になっていくんじゃないかなと思います。何回も何十回も出場できるような選手になって、出場が目標、予選通過が目標、優勝争いが目標となっていきたいなと思います」。

併せて、「ここまで来れたのも、ゴルフをやらしてくれた両親とか家族、ゴルフ場の方や皆さんに感謝しなきゃいけない」と周囲への感謝も述べた。

石川はこの他にも、USPGAツアーデビュー戦となる『Northern Trust Open』(ノーザントラストオープン/2月19日〜22日)、『Arnold Palmer Invitational presented by MasterCard』(アーノルド・パーマー招待/3月26日〜29日)にも主催者推薦での出場が決まっている。

スケジュールに合わせて、2月上旬からは国内でスキー合宿等で体を作り、完璧な状態でアメリカに渡る。

(社)日本ゴルフツアー機構 小泉直会長のコメント
「ゴルフ界にとっても明るく素晴らしいニュースで、大変嬉しく思っております。昨年の石川選手の活躍の集大成がマスターズ出場に繋がったのではないでしょうか。石川選手の実力と人気の両方が考慮されたのだと感じます。片山晋呉選手とジーブミルカシン選手、今田竜二選手と共に、活躍される事を期待しております。」
  • 主催者のトランジションズ社から花束贈呈
  • 地球儀でアメリカを指差す

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