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日本オープンゴルフ選手権競技 1999

「21世紀のスイングを目指している」尾崎将司

 最終18番、447ヤードのミドルホール。ジャンボ尾崎は、第2打をグリーン左手前のバンカーに打ちこんだ。雨に濡れそぼり、重くなった砂からピン手前3メートルに脱出。微妙な距離を残した。
 3度、4度と念入りにラインを読むジャンボ。

 慎重にこのパーパットを沈めてノーボギー、69のラウンドはこの日のベストスコアだ。

 「前半は、すごくいいゴルフをした。後半は、よくパーでしのいだね。」。

 もともと、手ごわいコース設定に、午後からは風速8メートルを超える、雨交じりの強い風。

ラフはたっぷりと水を含んで、ますます、重くからみつく。午前9時と比較的早いスタートだったとはいえ、「きょうのコンディションは3日間で一番難しいんじゃないかな。18番なんか、ティショットはいいところに落ちたのに、第2打は2番アイアンで打つのが精一杯だったくらい」。そのなかでの快進撃に、充実の表情が漂っていた。

 「21世紀のスイング」を目指しているという。「2日間まわってみて、背筋痛が出たのはスイングに原因があるのだ反省した。(今後のためにも)改造しなきゃいけない必要性を感じたんだ。そうやってラウンドして、きょうはいままでにない、いい感触をつかんだね。(セカンドで)200ヤード以上残っても、嫌な気持ちにならないんだ」。

 反省と同時に、結果を出すのがジャンボ尾崎の真骨頂。

 「オレは昔からの方法をたくさん持っているからね。もとあるものに、いろいろくっつけていけば、新しいものを作り出すのは、そんなに難しいことじゃない」。

 首位の直道と4打差、3位の健夫とは2打差の4位タイ。今年5月の日本プロゴルフ選手権と同様に、兄弟そろって、夢をおいかけていく。

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