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ANAオープン 2010

河井博大が単独首位

“趣味“を生かして好発進だ。今年、シード復帰の河井博大(かわいひろお)が5アンダーの単独首位。
「練習ラウンドは、あまり良くなかったのですが・・・」と、本調子ではないことを自覚していただけに、「出来るだけテンションを下げて、力を入れず、丁寧にさらっと打つイメージで」。
その心がけが奏功した。
前半のアウトコースで一気に稼いで「上出来ですね」と、微笑んだ。

この日は特に強風下のラウンドも、もはや“趣味”といってもいい普段の練習法が、生きた。

「素振りが大好き」という。それは「永遠にしていたい」というほどの懲りようで、「暇さえあれば近くの公園でも、宿泊先の駐車場でも」。飽きるまで、延々と繰り返す。

「素振りなら、理想に近い形でスイングしやすい。何度も繰り返して、イメージをたたき込むんです」。

やれ、スイングプレーンがどうだ、とか、テイクバックの位置はこうだとか。
「そっち方面を考え出すと、僕はたいてい、余計にダメになってしまうから」。
悩んだときこそ、無心に振り続ける。
「そうすると、良いイメージしか入って来ないから」。
使用クラブは前半の5番パー5でも、残り210ヤードの第2打で握った4番アイアン。ピン4メートルにつけてイーグル奪取にも、「いや、このホールはたまたまキックが良くて。素振りのおかげではなくて、ラッキーだけです」と苦笑したものだが先週のオープンウィークの調整法も、もちろん「素振り」だった。

「1週間のうち、球打ちに行ったのは1回くらい。ラウンドも1回くらい。あとは素振りばっかりしてました」。

そんな選手は「僕くらいでしょう」と、河井は苦笑していたが、実はあの石川遼も、幼いころからひたすら素振りを繰り返すことで、「上手くなった」と明かしているほどだ。

また近ごろは、新しい仲間も加わった。
出身も、同じ広島なら、名前の読みも「ひろお(洋雄)」と同じの岡茂(おかも)と向かい合い、お互い無言で振り続ける。
その雰囲気は一種、異様な光景と2人とも自覚しており、「回りの人から変な目で見られるし、最初は勇気がいるけれど。今はもう、どう思われても関係ないわ、と」。

その岡茂もこの日は2アンダーの7位タイと好スタートを切り、素振り仲間は「やっぱり、これだね」と、ホールアウト後も練習場でブンブンと4番アイアンを振り回し、改めてその効果を確認し合っていた。

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