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ANAオープン 2010
池田勇太が単独首位浮上
535ヤードの12番パー5は、255ヤードの第2打をスプーンで6メートルに乗せて、「下りのスライスラインがど真ん中から入ってくれた」。
そして579ヤードの17番パー5は、ドライビングディスタンスの計測ホール。
「狙いたい」のはやまやまだが、池田はあえて、飛距離を捨てる。
「俺はスコアのほうが、大事だと思うので」。
誰もがティショットでドライバーを握るという中で、「僕は2番のユーティリティ」。グリーン手前の左ドッグレッグは、「飛ばしすぎると、狙えなくなる」。
高い林越えの第2打は、距離だけでなく、高弾道のショットが要求されるからだ。
「でも、木に近づきすぎるとプレッシャーになってしまうから」。
あえて250ヤード前後を残すようにして、「俺は良い状態で、2オンを狙っていく」と、再び2番のユーティリティを握った第2打は、手前8ヤードの花道を辿り、ピン横5メートルに。
「これを読み切った」と自画自賛の66は、通算9アンダーで2位と2打差の単独首位に躍り出た。
ジュニア時代から時代から日本代表の一員として、世界舞台での経験豊富。
「海外に出させていただいている中で、学生時代から洋芝が好きで。やりやすい」というように、ツアー初優勝もやはり、道内で行われた昨年の日本プロ。
何より経験がモノを言うと言われるここ輪厚でも、勝手知ったる庭のように振る舞える秘訣だ。
過去5勝のうち、逃げ切りが2回、逆転が3回。
しかし、どちらが得意というわけでもない。
「ていうか、どっちでもつらくない?」。
だから余計なことは考えないのが勇太流。
「他はほっといて、自分は楽しく。今日のようなプレー出来ればいいんじゃない?」。近ごろはラウンド中も、笑顔が絶えない24歳。
「明日も、気楽にやれればいい」と、自身6度目の最終日最終組も、もはやプレッシャーとは無縁だ。