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ブリヂストンオープン 2010

藤田寛之は「もう勝ってもいいでしょう?」

この日は再三、ラフに入れながらもボギーなしのラウンドには「自分は凄い」と、一応は自画自賛してみるものの、反面1日4アンダーの2位タイには「こんなゴルフでなんでそんな上にいられるんだろう、と思ったり・・・・・・」。

結果だけを見て、自分の地力があがっている、と素直に思い込めないのがこの人の特徴で、「言うことは、毎日同じ」と、済まなそうに「今日も思うようなボールがまったく打てていない。非常にショットが悪くてつらかった」と、相変わらずこの日もショットの不振を嘆いてばかりいる。

この日のパーキープ率は100%。3日間通じても片山と並んでランク1位に「そこが落ちた瞬間に、僕はただの人だから」と、悲壮な顔に。

片山が出したコース新の62にも恨めしそうに、「晋呉はきっと、かなりショットが良くて、チャンスについて、という僕とは正反対のゴルフでしょう。正直、きつい。伸ばしていく晋呉についていける自信はない」と、2打差に早くも白旗モードだ。

「ラフばっかり入れてる僕が、ここにいること自体が不思議な現象。とても、このハイレベルの戦いにはついていけそうもない」と、やっぱり悲観的な言葉ばかりが並ぶ。

せめて最終日はドライバーのシャフトを交換してクラブに頼ってみようか、という策もあるが、「結局は、腕ですから」と、自嘲の笑みだ。

毎日毎日、飽きもせずにぼやいているが、それでも毎週のようにV争いに加わって、しかも賞金ランクは現在2位にいる。
「どうして僕が」と首をかしげるが、それだけの努力をこの人はしている。積み重ねた日々を振り返るにつけて、「もう、勝てれば何でもいい」と、開き直った。「これだけ頑張っているのだから、もう勝ってもいいでしょう?」と、最後はねだる口調になった。

「もう明日は運頼み。明日は良い日であってくれればいい」と、祈るように言った。

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