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ダンロップフェニックス 2010

池田勇太は「ぜひ、ここで勝ってみたい」

この日風速5メートルは、それほど神経を使うほどでもなかったとはいえ「海っぺりのコースの風は、塩を含んで重くなるから。少し吹いても難しい」。今大会は、昨年を含めてまだ2度目のエントリーだが、すでに攻略の肝はつかんでいる。

ティショットにはわずかに安定感を欠いて、いくつかのピンチを迎えたが、「その分、アイアンでリカバリー出来ていた」と、パーでしのいでボギーなしの67には「100点に近い出来」と、自画自賛。

同伴競技者にも恵まれた。予選2日間、同じ組でプレーすることになったトム・ワトソンは、「一度は回ってみたい選手だったので」。

これまでテレビや、たまの海外参戦でそのプレーぶりを見るにつけ、「余計なことはあまり考えず、常に思い切り良く攻めていく」。
今まで抱いていた印象を裏切らない61歳のラウンドぶりには、「こちらもとてもプレーしやすく、目の前でショットを見る事も出来て、本当に光栄でした」と、やんちゃ坊主の頭も自然に垂れた。

「僕もいっぱいいっぱいでしたけど、それでも楽しいラウンドでした」と、それもひとつの好スタートの要因に。

先週の三井住友VISA太平洋マスターズは無念の予選落ちも、「パットのタッチが合わなくて。うまくいかないときは、あんなもん」と意に介さず、すっかり気持ちを切り替えて、今年は残すところあと3試合。

現在、賞金ランキング4位は、同1位の金庚泰(キムキョンテ)との差が約6000万円以上もあるが、「自分次第で、まだまだチャンスはあると思っています」と、威勢も良い。

昨年は手首を痛め、この大会でも試合に集中するどころではなかったが、体調に細心の注意を払って迎えた今季終盤は「どこまで出来るか。やってみるのもひとつのチャレンジで面白い部分」と、心からゲームを楽しむ余裕もある。

今年9月のANAオープンで念願の大会制覇に涙した男がもうひとつ、視野に入れるのが、このダンロップフェニックスである。
というのも憧れてやまないジャンボ尾崎が94年、95年、そして96年の3連覇を達成して、通算100勝をあげたのが、この大会。

後継者候補のひとりとしては、絶対に外せない。
「ぜひ、ここで勝ってみたい。そういう気持ちはもちろんある」。
熱い思い入れを持って、コースに挑む。

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