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カシオワールドオープン 2010
首位タイの池田勇太は「やれることはすべてやり尽くす」
この日3日目も吹き荒れた黒潮の風に、クラブ選択に頭を悩ませた場面も多く、加えて「本当に凄いところに切ってあった」と池田も思わず、目を剥いたシビアなピン位置に、再三のピンチを迎えた。
4番のアプローチは、専属キャディの福田央さんと、「何が何でも奧。ショートしたらボギー決定」と意見が一致。「だからといって、あんなに強く打つバカがいるかね」と、6メートルのパーパットに冷や汗を拭った。
「入ったから良かったけれど」と自嘲の笑みで、そのほかにも11番で5メートルのパーを拾ったり、17番で3メートルをしのいだり・・・・・・。
15番では、ほとんど直角にスライスするような、2メートルの難しいバーディパットに「あれはよう入れた」と、自画自賛。
「13番、14番もそう。16番も、あんなにスライスするもんかね」と、苦笑いで首をひねった。
後半は高台のホールが多く、海からの風にさらされて、時間が経つほどに、グリーンは乾いて速くなる。
「バーディが入らないかわりに、パーパットがよく入ってくれた。よう耐えた」。
専属トレーナーの福田努さんのケアで、大きな問題はないが、この日は2週続きの優勝争いの疲れを自覚していた。
「先週、勝って今週もこの位置にいる。いい争いをしている中で、多少なりとも体力的な部分、そして精神的な部分はあるわけだから」。
厳しい条件の中で、内容に満足、とはいかないが、我慢の3日目を乗り越えて、ついに首位に躍り出た。
2週連続Vを視野に、逆転・賞金王に望みをつないだ。
勝てば賞金レースも次週の最終戦に持ち越せる。
「手を伸ばせば届く位置にいるわけだから。そういう意味でもこのカシオワールドオープンという大会を大事にしたい。明日も大事にしたい。明日こそコンディションも万全の状態で臨み、やれることは、すべてやり尽くす」。
渾身の18ホールで、最終日こそ金の前に立ちふさがる。