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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2010

池田勇太は「絶対に勝って終わる」

平塚と小田と、そして池田。3日目の最終組3人は、揃って通算7アンダーは3位タイでのホールアウトにアテスト場で、真っ先に立ち上がったのが池田だった。
「はい、そうです。僕がいちばん最初に出しました」と言った表情に、いよいよ今年のラストゲームへの闘志がみなぎった。

最終日の組合せは、成績の良い選手ほど後ろの組になるが、スコアがタイの場合は、前日のスコアカードを先に出した者が、よりあとに組まれる。最終組での優勝争いこそ、強い気持ちの現れだ。
首位との4打差に「チャンスはある」との言葉に力がこもった。

この日は、強風が吹き荒れた前日に引き続き、我慢の1日となった。
4番で、2メートルの下りフックを決め損ねてボギーが先行。6番では、5メートルの上りフックのイーグルトライをショートしたばかりか、7番、8番では連続ボギーだ。

それでもどうにか踏みとどまって、「耐えたというか、今日は入らなかった
というか。入ったかな、というのが手前で切れたりとか、本当にかすかなこと。そのときの運。アンラッキーも多かったし、カップに嫌われた1日でした」。

それでも最後にきっちり見せ場を作った。17番パー5は、得意の3番ユーティリティで、残り249ヤードを2オン。手前5メートルのイーグルパットは渾身の上りスライスが、ようやく決まって「最後に神様がくれたのかな」。

最終18番は、距離のある227ヤードの難しいパー3。左横5メートルを捉えて丁寧にパーで締めて、いよいよ自ら進んでしつらえた最終日最終組に「舞台は整った」。

2010年は、泣いても笑っても18ホールを残すのみ。賞金ランキング1位の金庚泰(キムキョンテ)はこの日、猛チャージで池田には2打差の6位に。そして石川遼は、通算3アンダーの10位タイにいるが、最終日に池田が出来ることは、もはやひとつしかない。

「明日は、優勝だけ」と、言い切った。
それは、単純に逆転賞金王のためではない。若大将のけじめ。「明日は今年最後の18ホール。最後に勝って終われれば、最高の締めくくりなる。そういう意味で、明日は大事な1日。賞金王になろうが、なるまいが、絶対に勝って終わる」。
2001年に賞金王に輝いた伊澤利光以来の今季最多の年間5勝なら、誰の記憶にも残る2010年になるはずだ。



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