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サン・クロレラ クラシック 2010

首位タイの高山忠洋は「ルーキーのつもりで」

後半は、アウトコースの6番から4連続。最終9番パー5は、103ヤードのアプローチをウェッジで3メートルにつけてバーディフィニッシュ。

2日連続のサスペンデッドとなった前日2日目は、幸い第2ラウンドを回り終えて、コースを引き上げることが出来たが高山にとってもタフなスケジュールには変わりない。

「今日も最初のうちは、疲れて足に来ていた」。
それでも、出だしの10番からバーディが来て、順調にスコアが伸び出して「汗をかいているうちに、疲れも吹き飛んだ」という。

見えない力の後押しもあったと思う。
奇しくもこの日31日(土)は、祖父の松秀さんの命日だった。
ちょうど昨年は、今大会の最終日に訃報が飛び込んできた。

「ミスショットがなぜか良いところへ行ったり、なんだか今日は、おじいちゃんが見守ってくれているような気がしたんです」。

ラウンド中に、ひとつ後ろの組のディネッシュ・チャンドがホールインワンを達成して、頭ひとつ抜け出したことを知ったが、不思議と冷静でいられた。

また、予選通過組では最下位からスタートした石川遼が、その時点で8アンダーをマークしていることを知り、それを力に変えられた。
「僕も頑張って伸ばそう、と」。

それでも、上がりホールの追い上げに、コースレコードを更新した石川に次ぐ64は、出来過ぎな感もあるが、「おじいちゃんのおかげです」と感謝した。

ツアー通算2勝の実力者も、この5年間は、怪我などもあって、勝ち星に見放されたままだ。首位で並ぶチャンドはいま絶好調で、最終日も相当に、入れ込んでくるだろう。

「でも僕は久しぶりなんで。実績は、ないに等しい。これまでやってきたことをすべてぶつけるつもりで、せめて気合い負けしないように。ルーキーのつもりで頑張ります」。

この日の8アンダーは、亡き祖父に贈った。
5年ぶりのツアー通算3勝目はいつも、けなげに夫のプレーについて歩き、ロープの外から見守ってくれる妻の梢さんに捧げたい。「そうなれば本当にいいですね」。
実現すれば、結婚後の“初V”をプレゼント出来る。

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