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関西オープンゴルフ選手権競技 2010

上井邦浩は「阪神に負けてられへん」

先週まで2週間のオープンウィークは、あえて精力的に試合をこなした。ツアー外競技の兵庫県オープン、南都オープン、そして奈良オープンと、3試合をハシゴして、「貧乏ひまなしです」と、おどけたが本音は自分にカツを入れるため。

「こう暑すぎると、練習だけってしんどいけれど。せざるをえない状況を作れば、するでしょう」。
猛暑の中で、自分を追い込み、しかも3試合ともトップ10入り。
“夏休み”を返上した甲斐はあった。

今週は、試合感を失うことなく会場入り。

今季は序盤から、パットにやや不安があったが、先の3試合で調子も上がってきた。
スタートで6メートルのバーディチャンスを決めて、流れを作った。
ここ関西は、相変わらずの猛暑も、普段はめったにささない日傘を積極的にラウンドで使ったり、アミノ酸入りの自家製ドリンクを携行したり、対策もばっちりだ。

前日水曜日に、兄弟子の宮本勝昌が言っていたという言葉が、引っかかる。
「そういえば、上井にはまだ奢ってもらってないなあ」。
師匠の芹澤信雄が中心の「チーム芹澤」は、勝った選手は仲間全員に食事をごちそうするのが慣例だが、上井はまだ未勝利。

「確かに、まだ一度もご馳走してませんけど。でも、僕は勝ったらまたみなさんにご馳走してもらおうかな」と、ちょっぴり負け惜しみで応戦したが、いまツアーでもっとも初優勝に近い一人と評価されている立場としては、そろそろ先輩たちに、甘えてばかりもいられない。

そして、もうひとつの発奮材料が、「阪神に負けてられへん」。
妻の友香理さんの父・久保康生さんが、投手コーチをつとめる阪神タイガースにあやかって、独走態勢を築きたいところだ。

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