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日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

2試合連続Vを狙う、石川遼

18歳が、ますます絶好調だ。ツアー新の58を記録して、世間の度肝を抜いたのが2週前の中日クラウンズ。しかし、いまや調子はあれ以上だ。
「ショット、パットとも日に日に良くなっている」というから恐れ入る。

特に手応えを感じているようなのが、ミドルアイアン。たとえば、ツアーの開幕直後は、170ヤードで6番アイアンを握っていたが、「今は7番アイアンで打っている」。
本来の飛距離が十二分に出ているばかりか、「非常に距離感も合ってきて。体のキレも出てきて、状態が上がっていると感じられる」と、頼もしい。

ギャラリーに無料開放されたこの日水曜日の練習ラウンド。大会史上初となる長崎県での開催に、「試合中には出来ない。選手とギャラリーの、肌が触れあうほどの交流を」との主催者の意図を敏感に汲み取った石川が、本戦前から早々に、若きエンターテイナーぶりを発揮した。

写真撮影やサインに気さくに応じたばかりか17番パー3では、まるで今年のマスターズの再現だ。オーガスタの16番を彷彿とさせる、池に沿ってそびえるギャラリースタンドが、ますますその気にさせる。
「お客さんが多かったら、昨日のうちからやろうと決めていた」という。

ティグラウンドからひとしきり練習球を放った石川は、トコトコと池の縁まで降りていく。

おもむろに、左足下がりのラフを選んで、ウォーターショットを披露した。
5番アイアンで、水面を何度かバウンドさせる水切りショットは惜しくも失敗に終わったものの、この日駆け付けた2119人の観衆を喜ばせた。

「みなさんが楽しんで下さっていることが、僕にも伝わってきて。僕も新鮮な気持ちでラウンド出来ました」。
翌日に控えた本戦に向け、ますます気持ちが高ぶる1シーン。

主催者によると、前売り券およそ2万枚が売れており、週末はさらなる大観衆に見守られる中で、当然期待されるのは、2008年のプラヤド・マークセン以来、また日本人選手なら、2007年の谷口徹と谷原秀人以来となる2試合連続V。

「ゴルフは最終日までに3日寝る。その間に体調も変わるし、4日間を通していい状態を保つのがとても難しい」。
それを、2週間続けるのはなおさらだ。
「1つ試合が終わって、月火水の過ごし方も大事だし・・・・・・」。
それだけに、やりがいも倍増だ。
まして今週、そんな難業達成の機会を持つ選手はただ一人。
「チャンスがあるのは僕だけなので。頑張りたい」と、気合いを入れた。

しかも勝てば今大会ばかりか、すべてのメジャー大会を含めても、史上最年少のチャンピオン誕生だ(※)。
「僕は最年少というよりも、心技体ともに長く一定以上のレベルを保たなければならない“最年長”のほうが、凄いと思う」と本人は気のない素振りだが、新たな伝説誕生の瞬間を待ちわびる声もまた、本人の思う以上だ。

<※参考記録>各メジャー大会の最年少V
日本オープンなら・・・1982年 浅見緑蔵(19歳9ヶ月7日)
日本プロなら・・・1928年 浅見緑蔵(20歳3ヶ月10日)
日本ゴルフツアー選手権なら・・・2001年 宮本勝昌(28歳10ヶ月4日)
ゴルフ日本シリーズJTカップなら・・・1981年 羽川豊(23歳11ヶ月29日)

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