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ダイヤモンドカップゴルフ 2011

ジャンボ尾崎が今季2度目の決勝進出

近ごろ若手、ベテラン問わず、その口からこの人の名前が続々と出て来る。谷原秀人や谷口拓也は迷いが生じると、千葉県の自宅に日参していると言い、先週と先々週のツアー初優勝者たちも、この人の名を挙げて感謝した。

「とおとうみ浜松オープン」で石川遼を破って優勝を飾った小林正則はスランプに陥った2008年に、ジャンボ尾崎に受けたアドバイスを胸に這い上がって来られたと言い、日本プロを制した河井博大はジャンボのゲキを最終日の励みとしたという。

しかし本人は、そんな彼らを笑い飛ばした。
「あいつらはバカだ」。
というのも、日本プロの最終日の前夜に人を介して河井に言付けたのは、「緊張するのがイヤならプロゴルファーをやめろ」というメッセージだったはずなのに、あとで報道記事を読んだら河井は「緊張するくらいなら、やめろ」と、微妙に違えて解釈していたのだ。

「でも、それって大きな違いだろう?」と、ジャンボは不満たらたら。
「俺は“緊張しながらやるのがプロスポーツの醍醐味だ”と言いたかった。そんなことも理解出来ないなんて・・・。まったく、最近はヘンなやつらばっかり優勝する」とわざと憮然と、それでもやっぱり、どこか嬉しそうに“教え子たち”の成長に目を細めた。

自分だって、負けていない。
この日2日目は、68で回って通算4アンダーは、16位タイで決勝ラウンドに進出した。
11番、12番で2メートル半。17番は残り149ヤードから、8番アイアンでピンそばにつけると3番パー3でも、ユーティリティの4番であわやホールインワンの10センチだ。

最後の9番は、手前から2メートルのバーディで締めても飽きたらず、逃した獲物を悔しがる。

5番や、8番で決め損ねたのは1メートルの絶好のチャンス。
「あんなのは目をつぶっていても入る」と、自分にダメ出し。
今週からパターのシャフトを1インチ長くして試みているが、距離やラインによっては「上手く操作出来たり、スムーズに動かせなかったり」。

昨年まで苦しんできた腰痛の影響で、かばって打っていたときのスイングのイメージが時折顔をのぞかせる。
「特に後半。躊躇してしまってる。前に行けない理由を自分で作ってしまっている」と、どこまでも自分に厳しく、「なんとかそのあたりが無くなれば。なんとか生まれ変わってみなさんの期待に応えたいと、思っております」と、わざと慇懃な表現でおどけて言った。

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