ツアー屈指のパー３は、三好の16番でティショットを崖下に落とした。この日も、もう何度あったかしれないピンチの中でも最大級の場面で、同組の谷口徹に「あそこに落としてパーを拾った人を、初めて見たわ」と言われても、喜んでいいのかどうなのか。

目の前の木の下を、９アイアンで転がし上げた。「当たって砕けろ的な気持ちで打った」という２打目もけっして「イメージどおりに打てたわけではなかった」が、ピンを超えて、反対側のカラーにつけた５メートルのパットをどうにかしのいだ。

ほかにも、右林に打ち込んだ７番や、やはり右の林の隙間を抜いて拾った15番。
また、４メートルのチャンスを外した９番や、イーグルトライを３パットした12番。

プロ、アマ通じても、自身初めての全ホールでパーに終わったスコアカードは北風の吹く難条件で、耐えられたというべきか、再三チャンスを逃したと言うべきか。
「今日は自分から、スコアを動かしていきたいと言ったのに。まったく動きませんでしたね」と、苦笑するしかなかった。

「このコースでボギーがないというのは良いことですが、毎日４バーディが目標なので」と、悔しさ半分。この日は谷口のほかに、片山晋呉という歴代の“賞金王対決”は、「ピンと張り詰めた緊張感。特にこの大会は歴史が長くて、僕が出る前から見に来てくださっている方も多くて。谷口さんと片山さんの凄さを知っているギャラリーの方ばかりで。１人がショットを打つたびに、緊張感があって僕も集中出来た」とこの上なく豪華なペアリングの中で、名実ともにパープレーに終わってしまったことも、残念だ。

「スコアがあまり伸びていないだけに、少しでも差を詰めたかった。そのあたりも悔しいですけど、明日こそ頑張ります」と、徐々に上向き始めたドライバーを武器に、最終日こそチャージを誓った。

• 石川 遼
• 谷口 徹
• 片山 晋呉