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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2011
諸藤将次(もろふじまさつぐ)がツアー2勝目にむけて好位置
「スプーンを握るつもりだったティショット」。
目下、飛ばし屋日本一は「曲がっても、振っとけばストレス解消になる」と、あっさりと1番ウッドに持ち替えた。
399ヤードのパー4は残り87ヤードから、楽々バーディを奪ってたちまちスカッと憂さを晴らすと、最終9番で現在ドライビングディスタンス1位の真骨頂。
右ラフから239ヤードの第2打は、4番アイアンで難なく2オンに成功すると、左手前から10メートルを沈めてイーグル締めに、後ろの組で回っていた“師匠”も呆れた。
「前半は、お前なんか眼中になかったのに。最後に抜かれた」と、悔しがった谷口徹は、今年9月にツアー初優勝をあげた諸藤に、近ごろめっぽう親切で、先週もメールで「テレビで見たけど、あのバンカーショットはないよ。今度、教えてあげる」と、わざわざ知らせてきてくれる。
そして今週も、2週連続で「試合よりも緊張感のある練習ラウンド」。
過去2度の賞金王のゴルフは、練習の段階から見応えたっぷり。「僕は飛ぶだけだけど、谷口さんは技が非常に多いので」。
見ているだけでも勉強になるが、そのうえ手取り足取りの指導もある。
少しでもミスすれば飛んでくる。「下手くそ」との容赦ないゲキも、たっぷりの愛情すら感じる。
存在の大きさだけでも圧倒されるのに、恐縮しながら回る練習ラウンドは、「いつもボロボロ」。本番のほうがよほど気楽に出来るほどだ。
というわけで、尊敬する“師匠”すら凌駕した初日の4アンダーだった。あとから上がってきた谷口に、「明日は見とけよ」と、戦線布告されるのもまた、存在を認められている感じがして、26歳には嬉しいものだ。