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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2011

石川遼は「準備は出来ている」

完成は近づいている。悲願の今季初Vにむけて「足りないピースはもうない」。あとは、間違いなくはめ込むだけ。

この日水曜日のプロアマ戦は、ホスト役として和気藹々のラウンドのかたわらで、本番への調整もぬかりない。

L字のヘッドに、中尺を差したパターは、練習用に用意された1本。「指先の細かな感覚を伝えやすい」というL字と、「真っ直ぐ引いて、真っ直ぐ出す」。振り子の要領で振る中尺パターの両方の良さを兼ね備えた一挙両得な“練習用具”は例年、「オーガスタのよう」と、評判の高速グリーンとの相性も、ますます完璧。

また、鍵のドライバーショットは、クラブと体の一体感を重視した練習で、球のばらつきを減らしていく狙いだ。

プロアマ戦の最後の締めは池越えの18番で、名シーンを彷彿とさせる場面も。揃って池に入れたアマチュアのみなさんが、ウォーターショットにチャレンジ。「打ってみたい、とお客さんがおっしゃたので。上手くいってもいかなくても、打ってみることが、楽しいんだな」と、微笑ましい笑顔で見守りながら、思い出されるのは3年前。

2008年。プロ転向後の初Vが、この大会。最後の18番は、池から3メートルにつける劇的なアプローチで、逆転Vを引き寄せた。
「ここの18番というと、僕のあのショットを皆さん、覚えていてくだっているので」。本人にとっても、「唯一、イーグルチャンスがあるこの18番は大好き」と言う思い出のクライマックスホールで、今季初Vにむけて、ますます思いは募る。

米ツアーは最終戦で、ルーク・ドナルドが劇的逆転の賞金王についたと伝え聞けばなおさら20歳の腕も鳴る。日本の最終戦は「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は、「すでに賞金王が決まっているというよりも、ここでどうかというほうが盛り上がる」。
今年、持ち越されたままの1勝は、「そのためにも必要な項目」。今やツアーの人気をしょってたつ一人として、「自分が賞金王になりたい、というよりも、盛り上がれば最高」と、まずはそちらの責任感のほうが先に立つ。

「良い準備は出来ている。なのに自分で良くなりそうな流れを止めてしまったり、振っていけばいいところを合わせてしまったり」。もう二度とブレーキは踏まない。「あとは積んできた経験を生かせれば」。
今年も、さらなる向上のためにひとつひとつ丁寧にはめ込んできたパズルはここABCゴルフ倶楽部で完成させる。

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