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関西オープンゴルフ選手権競技 2011
連覇がかかる、野仲茂
「・・・いえいえ、むしろ次の2勝目すらほとんど頭にはなくて」と、照れ笑い。「プロとしては、狙っていかなくちゃいけないとは思うんですけど」と、申し訳なさそうに頭を下げたがこれがこの人の持ち味だ。
昨年大会も難コースで謙虚に72ホールを積み上げて、最後まで無欲で勝ち取ったツアー初優勝だった。
「僕の場合は自分から鼻息荒くしてというよりは、チャンスを待って運が良ければ」。このスタンスは、今年もやっぱり変わらない。
その中でも「せめて、ディフェンディングチャンピオンとして恥ずかしくないプレーがしたい。そういう意味でも予選通過は最低条件。それはそれでとてもプレッシャーですね」と、控えめに笑う。
今シーズンは日程のほぼ3分の1が終わったが、「ゴルフは日替わり状態で」。これといった成績が残せていないが、気にしていない。むしろ「これから」という気持ちがある。「僕は秋にちょこちょこっと稼いでシードに滑り込むのがいつものパターンなので」と、こちらもやっぱり普段と何ら変わりなく、この関西のうだるような真夏の暑さこそ、本領発揮だ。
厳しい条件の中でこそ、力を発揮するタイプ。「みんながダレているときに、頑張っちゃえば、上に行ける可能性もあるでしょう?」。前日火曜日から2日連続の練習ラウンドは、合計2ラウンドをこなして「暑いよ、倒れそう」と、口では言いながらも、今年41歳は元気いっぱい。
関西ゴルフ連盟が主催する、屈指の難コースもまた然りだ。
7番や15番など、「フェアウェイの幅は、もっとも狭いところは15ヤードしかない」とは野村惇・同連盟競技委員長。
野仲も、「刻んでも、楽にフェアウェイには行かない」と警戒しつつ、厳しいコンディションも「嫌いじゃない」と、今年も歓迎ムードだ。
2週前のサン・クロレラ クラシックは最終日の日曜日にそのまま北海道に居残った。旭川で家族と合流して動物園や、富良野に足を伸ばした。
そのあといったん自宅に戻り、次は山中湖で温泉三昧。2泊3日の家族サービスで夏休みを満喫した。
「このあとは、ずっと続いてしまうのでね」。ジャパンゴルフツアーは12月まで、ほぼノンストップ。「子供たちにも思い出を作っておいてやりたくて」というマイホームパパは、再シーズン突入の前に、いっそう絆を深めての会場入りに「今年もマイペースで行きますよ」と、ガツガツしない。