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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2011

単独首位のジェイブ・クルーガーって?!

聞き慣れない選手がこうしてリーダーボードに名前を連ねるのも、アジアと、日本の両ツアーでほぼ半数の出場枠を分け合う今大会ならではだ。今年4回目を迎えるアジア太平洋地域のNO.1プレーヤー決定戦で、初日に首位に立ったのは、南アフリカ出身の25歳だ。

「日本はこれがファーストトリップ。本場の寿司を味わってみたい」と、胸を膨らませて初来日。もちろん、日本ツアーもこれが初参戦。

うっそうとした木々と、深いラフが生い茂るここ琵琶湖カントリー倶楽部も「かえって集中力が増していい。ひと目みた瞬間に、僕にはうってつけのコースだと思った」との、ファーストインプレッションも、的中した。

むしろ落としどころの狭いホールでも、守りに入るでもなく、「攻撃的に攻めた」と、折り返しの10番は、4番アイアンで1.5メートルに2オン成功。このイーグルで勢いづいて、7アンダーは一気に、2位と3打差つけた。

「日本で最初のラウンドで、良いゴルフが出来て良かった」と、アジアンツアーで現在賞金ランク3位の選手が、名刺代わりの好スタートを切った。

父親のナニーさんのてほどきで、3歳からゴルフを始めた。「なかば強制的だった」と、本人は笑うが、ナニーさんの指導の甲斐あって、めきめきと才能を伸ばした。
「幼いときから父親に言われたのは、とにかく走れ、と。特に上り坂を走り込んだら、下半身が強くなる、と」。

おかげで身長168センチは、日本選手に混じっても小柄なほうだが、コンプレックスは全くない。
「毎回295ヤードは平均して飛ばせるから。小さくてもこんなに飛ぶんだ、ということが、むしろ僕の自慢です」と、胸を張る。

目標は、母国の英雄。ゲーリー・プレーヤーは、史上3人目のキャリア・グランドスラマー。南アの黒豹の異名を取る偉人は、「僕と同じくらいの体格なことも励み」という。
「彼のように、僕もいつか世界中で大暴れしたい」との夢がある。
「そのためにも、アジアでたくさんの経験をして、たくさんの異文化に触れて、自分自身を高めている最中です」と、アマ時代は母国で6勝、プロ入り通算2勝はまだまだ発展途上の25歳。

今大会で勝てば、日本ツアーのシード権が得られる。「えぇっ、そうなの? 知らなかったよ」と目を丸くして、「それはいいことを聞きました。日本ツアーもドライバーの精度を上げるのにはうってつけの舞台。活躍の場を増やすためにもぜひ、頑張りたい」と、嬉しい情報にがぜんやる気もアップした。

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