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中日クラウンズ 2011

片山晋呉は「マスターズでオフになっていたスイッチが・・・」

もう心配ない。この男が完全復活の手応えを掴んだ。過去2度の頂点に立ったここ和合で、この日最終日は特に、激しい雨が降りしきる中でボギーなしの66。通算8アンダーは、首位と1打差で迎えた最終18番で、奧から3メートルのバーディチャンスを外して悔しがったが、その表情は充実感に満ちていた。

大会3度目のタイトルにはあと一歩、届かなかったが、「一昨年のマスターズでオフになったスイッチが入った」と、断言した。
かの地で、日本人最高の4位に入って燃え尽きた。
永久シードの通算25勝を達成した過去5度の賞金王が、「これから何を目指してゴルフをやればいいのか」。
目標を見失い、一昨年は初優勝をあげた98年から初めて勝ち星にも恵まれず、それから丸2年も勝てずにいる。

だがようやく「準備は整った」。
充実のオフにゴルフも肉体面も、とっくに仕上がっている。ただひとつの懸念材料は、精神面だった。気持ちがそこに向かっていけるかどうか。それがこの2年間の一番の課題でもあった。

「ようやくゴルフをしていて前向きというか、やるんだという意識が凄く高まってきている。感覚とか、そういうものもよみがえってきている。これを待っていた」。

和合が賞金王の燃える闘魂を、呼び覚ました。
「こういう歴史ある大会で、こういうゴルフが出来ていることが、これからの好材料。あとは、回数を繰り返せば絶対に勝てると思っている」。
そのときは、確かに近づいている。そう予感させる和合での3位タイだった。

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