Tournament article
東建ホームメイトカップ 2012
開幕戦男の異名を不動のものに・・・!! 高山忠洋
もう、この人なしでは高山という選手を語れないほど、常にそばに寄り添う妻でマネージャーの梢さんの内助の功で、快進撃を続ける高山は今年、34歳。重ねた実績とともに、男子ツアーを引っ張る中堅どころの代表として、そろそろ胸を張っても良いところだが、いつまでたってもこの選手の振る舞いや言動からは、新人のような初々しさが消えない。
昨季7月は、日韓対抗戦で日本代表をつとめたときもそうだった。
近藤共弘とは“同級生”コンビだったにも関わらず、「実力は近藤選手のほうがずっと上。せめて僕が足を引っ張らないように、一生懸命についていきます。いろいろ迷惑かけますが、よろしくお願いします」と深々と頭を下げて、近藤に恐縮されたものだ。
また相手がうんと年下の選手であっても、最上級のリスペクトを欠かさない。
石川遼との直接対決にも、「なんといっても相手は最年少賞金王。僕は遼くんの胸を借りるつもりでやるだけです」と、どこまでも謙虚にいざコースでも、ただひたすら目の前の1打と向き合う真摯なプレーぶりである。
昨季2勝目となったカシオワールドオープンでは、初優勝をかけた宮里優作との一騎打ち。
ラウンド途中に頭をひねった。
「おかしいな、優作のほうが声援が多い。俺は4勝(当時)してるのに・・・」と、おどけて笑いつつ、「プロは常に印象深いプレーで、試合を盛り上げていくことも大事」と、ファンサービスへの思いも新たにしている。
各部門別のランキングと同時に、もっとも印象深い選手を投票で決める「MIP賞」の受賞も、もくろむ高山。昨年まで5年連続受賞の石川から、「Most Impressive Player」の称号を奪い去る・・・・・・!?
そのためにも、この開幕戦での連覇は必須事項だ。謙虚さは確かにこの選手の最大の美徳でもあるが、しかしそればかりでは、最大の栄冠を手にすることは難しい。
まずは大会3勝目で“開幕戦男”の異名を不動のものとしたい。