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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2012

貞方章男は「子供たちのためにも頑張る」

玄界灘から吹き上げてくる強い風。連日のかんかん照りに、次第に堅さを増していく高麗グリーン。上位が伸び悩んだこの日の3日目。最終組で、貞方が耐えた。

「まだ3日目なんでね。明日につながるようなプレーをしようと思った」と、ボギーなしの2バーディで、前日に引き続いて単独2位に。

先週の関西オープンは週末こそ失速したが、2週連続のV争いに、地元奈良県から今週も家族を呼び寄せた。
「どんなに試合で疲れていても、子供たちと遊んでくれる。良いお父さんです」とは妻の英里さん。

2歳と5ヶ月になる長男の俊輝(しゅんき)くんは、コースでお父さんを見つけるや、駆けだしていく。
それを懸命に、お母さんが押しとどめる。
まだ、プレー中はお静かにといっても、なかなか親の思い通りにはいかない年齢だが、「お父さんはゴルフで頑張っている」。そのことは、ちゃんと分かっている。
次男の泉輝(みずき)くんは8ヶ月と可愛い盛りに、父の自覚はますます深まる。
「もちろん、まずは自分のためなのですが、子供のためにも頑張らないといけない。まだ小さいけれど、自分が頑張る姿を見て、子供たちがどう思うか。気合いが入りますね」。

家族のためにも昨年、失ったシード権の奪回は、最優先事項だ。
そんな夫のかたわらで、英里さんは涼やかに言った。
「ぼちぼちと、のんびり行ってくれればいいんです」。
最終日は自身初の最終組。家族の愛に見守られ、真夏の芥屋(けや)を歩ききる。



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