３日目はときおり、強い雨も加わって湿った重い風。「潮が混じってべたべたしてた」。こんな日こそ「我慢してれば上もぞろぞろ、ぞろぞろ落ちてくる」。読んだとおりに、若大将が５位に浮上だ。

スタートの１番で圧巻のバーディ発進。413ヤードのパー４で、残りはなんとわずか54ヤードの第２打だ。サンドウェッジで50センチにつけた。８番では、チップイン。
「ティショットも良かったし、アプローチも思い通り」と完璧なバーディだった。

初日こそ「６ホールだけ悪かった」と13番から18番だけで８オーバーを叩いたが、もちろん諦めてなどいなかった。
「この２日間で１オーバーでしょ。だんだん良いゴルフが出来ている」と、難条件にもちゃっかりと帳尻を合わせて、この日はイーブンパーとスコアをまとめてきた。

「明日も我慢していればいい位置にいられる。トップ３を目指す」とは、珍しく控えめ？
「いや、この位置ならもちろん、優勝もあると思うし、こういうコンディションだから。優勝を狙いに行くのも大事だけれど、耐えながらそこに定めていくことも大事だと思った。だからトップ３と言っただけ」。

誰もが苦しい状況にもかかわらず、だからこそ、専属キャディの福田央さんと普段以上に楽しい会話で笑顔を作った。
「この大風の中で、まともにやったらバカになっちゃう」。
その福田さんに、「３週連続優勝」をおねだりされたのは、先週。
まずはキヤノンオープンに続く２週連続Ｖで、無二の相棒の無理難題にもひとつ近づく。

• 池田 勇太