Tournament article
ダンロップフェニックストーナメント 2012
松山英樹さんが2位、ツアーは4戦連続のトップ10にも「喜べない」
もっとさかのぼればサン・クロレラ クラシックと日本オープンに続く、アマチュアの4試合連続のトップ10入りは、東北福祉大の先輩の宮里優作が2001年に達成して以来の快挙だ。
しかし、松山さんは憮然と言うのだ。
「順位的には満足出来るかもしれませんが、内容的には喜べない」。
いや順位にも、きっと満足していない。
予選を通過出来たら目標は、最低でもトップ10入り。すでにツアー1勝のアマチュア選手が、最終的に目指すところはあくまでも優勝すること。
6位からスタートした最終日は前半にルークとの6打差にも動じなかった。
松林にセパレートされた難コースだが、「6つバーディを獲れば、追いつける」と果敢に、後半は12番の連続バーディで、3打差まで迫ってみせた。
しかしその直後に332ヤードは、ワンオン狙いの13番のパー4で、グリーン右のラフに打ち込んだ。目の前には3本に枝分かれした松の木。左端と2番目の枝の間を上手く抜いてピンを狙ったが、ボールはカップを大きく行きすぎた。
奥からのバーディトライも、1メートルのパーパットを残して3パットのボギーを打った。
「あのミスで流れを悪くしてしまった」と、悔しがる。
このほかにも前半の2番で1.5メートルのチャンスをみすみす外すなど、「今日は大事なところで入れるべきパットを決めることが出来なかった。ショートパットのミス。それがトップとの差、最後もそうです」。
前日3日目には奥から長いイーグルトライを沈めた18番も、この日はここでも1.5メートルのバーディチャンスを逃して悔しそうにリーダーボードを見上げた。
世界ランク3位の選手に次ぐ2位にも、松山さんは全然満足などしていなかった。
でもチャンピオンは驚いていた。2位につけたのが、まだ20歳のアマチュア選手と知ったルークは、「このタフでトリッキーなコースで2位なんて、絶対に素晴らしい選手に違いない。間違いなく、日本のホープですね」。そんなルークの褒め言葉もきっと松山さんには何の慰めにもならない。
「もっと練習しないと勝てない」との思いばかりを強くしていた。