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ダンロップフェニックストーナメント 2012
4位タイの小泉洋人(こいずみひろひと)は恵みの雨に
「2番でチーピンを打った」。
左の林に打ち込んだ。3メートルのパーパットを残した。
「そのままプレーを続けていたら、きっとひどいことになっていた」。
だから小泉には、その直後の競技中断が助かった。
再開を待つ間の1時間58分は、「ちょっと練習も出来たので」。
悪い流れを断ち切ることも出来た。
「気持ち的な変化もあったので。僕にとってはラッキー」と、豪雨がまさに恵みの雨に。
この日は、運が味方した1日。
天気が回復した9番では、ティショットでフェアウェイの真ん中を捕らえながら、ボールに泥。
2打目は、キャリーで左サイドの群衆の中に潜り込み、ロブショットで脱出を図った3打目も、グリーンに届かず。
大ピンチも、60度のウェッジで打った10ヤードの4打目が、カップインした。
思いがけないパーセーブに「1打も2打も得した気分。昼から頑張ろう」と気合いを入れ直した後半は16番では、左の林に打ち込んだピンチが一転バーディに。
土がむき出しになったライもこれまた「ラッキー」だった。ラフから打つより、持ち球のフックがよりかけやすかった。7番アイアンで打った140ヤードの2打目は、ボールの行方を追うキャディが「あ〜!」と叫んで「ピン筋です!」。3メートルについて、拍手がわき起こった。
ラッキー尽くしの3日目は、4位タイで迎える最終日。
「他の選手なら、優勝争いを楽しむとか言うのでしょう。でも僕は、そういう立場ではないのでね」。
左肩の棘下(きょくか)筋損傷を煩うきっかけも、ちょうどこの場所。毎年、ここフェニックスカントリークラブで行われる谷口徹のオフ合宿に、小泉も参加するようになって3年目になるが、今年は朝一のティショットでひどく痛めてから、症状は徐々に悪化した。
シード1年目の今年は「休む勇気がなかった」と、無理を押して出続けたが、トレーナーに「このままではゴルフさえ出来なくなる」と言われたのは6月。
やむなく戦線離脱をした。
6試合を休んで9月から復帰をしたが、完治もまだなら、賞金ランキングもまだ115位。
2年目のシード権の確保は、試合中のケガを公傷とみなす特別保障制度の適用を受けて、来シーズンまで猶予をもらえたとはいっても、年内にシロクロつけられれば、言うことはない。
「最終日も運で、シードが取れればラッキー」。
残り1日も、ツキを引き寄せられるか。