欧米のＷキングが、２日目にして２位と４打差の独走態勢を築いた。前日の65は「パットで作ったスコアだったので」。ショットに不満が残った初日は、練習場でしこたま打ち込んだ。

「おかげで狙いどおりのプレーが出来た」と、どこまでも伸びていく。
現在、日本ツアーで賞金ランク１位も度肝を抜いた。
ひとつ前の組で回る藤田寛之。
同じ組には石川遼。

「遼と、“ルークはいったいどうなっちゃってるんだ”と」。２人でスコアボードを見上げるたびに離されていく。
「こんなに伸ばせるコースじゃないんですよ」。
松林にセパレートされた難コースでいとも簡単に通算アンダーを２桁にした。「いや、簡単にプレーすることが、一番難しいから凄いんですよ」と、いつも冷静な目下、最強の日本男児も目を剥いた。

本人は、「今日のピンチは、３番くらいかな」とさらりと言った。180ヤードのパー３は、ティショットを左の深いバンカーに打ち込み、３メートルのパーパットを残した。「あのホールはさすがにやばいと思いましたけど」。

あれ、でも12番もけっこう厳しかったのでは…？
「ああ、そうでした！　すっかり忘れてましたね。あそこはティショットを右に曲げて、けっこう距離が残ってしまって。木の根元から、３番アイアンでグリーンの近くまで持っていき、あそこも３メートルのパーパットをナイスセーブしましたね」と、それでもやっぱりきわどいホールはそのたった２ホールだけと、ほぼ完璧なゴルフ。

２つのピンチも相変わらず、顔色ひとつ変えずにしのいで、ボギーなしの64に「マックスが100点満点とすれば、今日は90点くらいのゴルフが出来たかな」。

余裕の一人旅にも、このまま手を緩める気はさらさらない。
予選ラウンドを終えてこの２日間は、今大会の36ホールの最少ストロークを２打も更新したが「確かに昨日、今日のゴルフには満足しているけれど、最終的にトップにいられなければ何の意味もないでしょう？」。

ストローク数で言うなら２００４年にタイガー・ウッズが記録をした264ストローク。
アンダーパーで言うなら、年によってパーの設定が変わっているので一概には言えないが、２０００年の片山晋呉の通算19アンダーも、このままだと楽々と更新しそうな勢いだが、「そんなことより、他の出場選手より、１打でも上で上がれればそれでいい」と、記録よりも日本での初優勝しか頭にない。

• 藤田 寛之
• 石川 遼