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つるやオープンゴルフトーナメント 2012
藤田寛之は「負けたくない」
出だしから3連続バーディで、一気に追いつかれた。前日2日目に、16位につけていた直弟子の河瀬賢史(まさふみ)は、ちらりと見上げたスコアボードに名前がない。
「あいつ、打っちゃったのかな」との師匠の心配はご無用だった。「下ばっかり見ていて」。河瀬もリーダーボードの1枚目にあたる、トップ10圏内までスコアを上げてきているとはつゆとも思わなかった。
「チームのみんなが頑張っている・・・!!」。
52歳の芹澤信雄を中心に、藤田が43歳、宮本勝昌は39歳、32歳の河瀬、そして29歳の上井というラインナップはシニアとベテラン、中堅、若手と「今のツアーを縮小したような、非常に良いバランス」と、藤田は感じている。
「お互いに切磋琢磨して伸びていく」。
その中で、一番弟子の威厳を示す単独2位への返り咲き。後半で、意地を見せた。
15番で、212ヤードの2打目を21度のユーティリティで、右3メートルに乗せてイーグルを奪った。
そして、18番も156ヤードを7番で、会心のセカンドショットだ。左1メートルにつけてバーディで締めて弟子の2人を再び突き放した。
「飛距離では、とっくに上井に抜かれているし、スコアでも彼らに抜かれるのは時間の問題」と、チーム内部でもひたひたと忍び寄る世代交代の気配を感じている。
「早く俺を抜いていってくれればいい」と、若い2人の成長を心待ちにしながらも、「まだまだ」と、若い突き上げに強く抵抗する気概も持っている。
「スコアや成績で、彼らにすごいと言われるのを1日でも長く続けていきたい。まだ負けたくない」。
チーム芹澤のみならず、自分も今のツアーを引っ張る一人であるという誇りを、1日でも長く持ち続けていたいのだ。