Tournament article
〜全英への道〜ミズノオープン 2012
武藤俊憲と小田孔明は逆転の全英切符
最終日は後半11番からの5連続バーディを含む63の大爆発で、その谷口と並んで2位タイに食い込んだ。
谷口には、「お前は下からノンプレッシャーのほうが強い」と言われた。
「優勝争いしながら良いプレーが出来ないと、強くはなれない」とも。きつい言葉も本人は、自覚済みだ。師匠のアドバイスはいつも、的を得ている。
その師匠と一緒に聖地に赴くことになったが、武藤は現地では「一人で行動する」と、決めている。
「日本人選手とは、いつでも回れますので」。そのかわりに積極的に、トップランカーたちとの交流を深めて、「いろんなものを吸収して帰りたい」。
初挑戦は2006年。さらに翌年も出場を果たしたが、「悔しさを感じる前に終わったのが1回目。何か出来ると思っても、2日で帰らされたのが2回目。3度目の正直は、あそこで何が出来るか。自分の何が通用するのか」。
絶対に手ぶらでは帰りたくない。
そして今大会は単独4位で09年と10年に続く、3度目の出場を決めた小田孔明だが、複雑な思いは隠せない。「いや、実は最初から全英オープンは、まったく頭になかったので」。
会場のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部は苦手なコースのひとつだった。それだけに、自分にはチャンスはないと決めてかかって当週は、地区競技の北陸オープンに、エントリーを済ませたばかりだった。
それが、最終日には自分でも思いがけずに66という好スコアが出て「心の準備もね。嬉いのか、嬉しくないのか・・・」。本人にも思いも寄らなかった逆転の全英切符に、今はただ戸惑うばかりだが、同じマネジメント会社の後輩の藤本佳則との旅は、気心も知れているだけに、賑やかな1週間になりそうだ。