Tournament article
中日クラウンズ 2012
久保谷健一が単独首位スタート
「僕のは無理やりゴルフらしくしているだけですよ」と、頑として言い張るのだが、難攻不落と言われるここ和合では、そのくらいがちょうどいいのかもしれない。
毎回、上位にくるたびに言っていることだが、この選手はまた、いつものようにぼやきながら、上がってきた。
しかも、今回は単独首位で。
強い風雨の中で、出だしは耐えてパープレーに「雨も降っているし、諦めモードで気楽に行ったのが良かったのかも」。9番で80センチにぴたりとつけて、この日最初のバーディを奪うと、11番の6メートルに続いて13番で「1個長いのが入って落ち着きました」と、10メートルのバーディパットを沈めると、そこからうなぎ登りで上がってきた。
12番では、「深くて、ピンに近くて。10回打って1回くらいしか寄らない」というほどの難しいバンカーショットをピンそばにつけて絶妙のパーを拾い、最後の18番では、フックラインの5メートルをねじ込み、いよいよスコアボードのてっぺんに。
それでも「ひどかったのよ、もう、本当に先週まで」と相変わらず、ぐちぐちと「曲がるだけならいいけれど、球に当たらないのが、もう・・・。ドライバーは230ヤードしか飛ばないし、アイアンも2クラブ以上は飛んでない。これはもう、今年で終わっちゃったな、と」。
年も明けたばかりというのに、早々に閉幕宣言?!
「でも、昨日のプロアマ戦あたりから、少しは当たって来たのかな」と、暗闇の中に一縷の希望も。
40歳。この中日クラウンズはもはや、16回の出場のベテランが「幸せです。今年もここに来られて良かった」とはまるで新人選手のようなつぶやきだ。
難コースで好スタートにも、「まだ初日。僕の場合は分からない。決勝ラウンドになれば、こんなに上手くいかないと、予測が出来ちゃう。長年やっているとね。こんなゴルフじゃ明日以降はパープレーが限度じゃない?」と、とことん後ろ向きに、「まあ、試合が僕のことを強くしてくれればいいですよ」。
今日もぼやきに終始した。