Tournament article
TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN 涼仙 2012
ジャンボ尾崎は「俺もホストプロの一人」
「夏の試合は、まず足の速さで若いヤツには勝てない。あいつらは健脚だから」と、苦笑いで首を垂れる。
まして先週のフジサンケイクラシックは、富士山の裾野に広がる富士桜カントリー倶楽部でギブアップ。
「あのアップダウンは俺には無理だ」と、持病の坐骨神経痛の再発で、インスタートの2日目は9ホール終了後に無念の棄権。
「“日本一の山”にも登れなくなったら、俺もダメかな」と冗談めかして、「でも今週はこれくらいの坂なら歩ける」と、この日も9月といってもまだまだ酷暑のプロアマ戦も、アマチュアのみなさんと和気藹々とコースを闊歩。ホストプロの役目をひとつ、終えた。
大御所の風格は、コースだけではない。
この日は朝の練習場。パッティンググリーンで偶然居合わせた石川遼に、なにやら指南を耳打ちしたあとに、背後に回って背中を平手でパチン!!
「気合いを入れてあげた」という一発は、あたりにけっこう大きな音が響いたほどだった。
「高い夢に向かっていろんなことをやろうとしているときには、それなりの壁を感じるもの。頑張っている人間にだけ、言えることだけど、本人も一生懸命にやっているわけだから、それなりの結果を出していかないとそれは困るわな」とこの2週間は、得意コースで2試合連続の予選落ちを喫している20歳にカツ!!
「自分自身のためにはパワーがないけれど、人にはあげられるんだ」と分厚い手から、石川にジャンボ・パワーを注入だ。「遼が、日本を代表して向こうでやれる、という筆頭には間違いない。それは本人も自覚しているから大丈夫だ」と太鼓判を押す目は温かかった。
ジャンボが今も若手の指針であることは間違いない。今週はホストプロとして、大会を引っ張っていく。