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フジサンケイクラシック 2012

今季3勝目をにらむ、藤田寛之

今日から9月。43歳の夏休みは終わった。7月の全英オープンを挟んで、予選落ちが続いて「中だるみ」と本人も苦笑いを浮かべたものだが、そのあと関西オープンで11位タイ、地元福岡の「VanaH杯KBCオーガスタ」で7位タイとV字回復を見せている藤田が最終日を前に、4位タイまで上がってきた。

この日は御殿場から師匠の芹澤信雄が駆けつけたがそれは自分のためというよりも、いま悩みを抱えているという弟弟子のため。
「僕のところは、たまにちょこっと。あとはずっと宮本についておられたと思います」。
師匠に見守られて3位タイから出ていった弟弟子は、しかし、リーダーボードから消えていた。

「宮本は15番で、1アンダーのところにもいなかった。きっと今年苦労しているのが今日、出てしまった」と、その格闘ぶりを想像するにつけても複雑な心境にかられつつ、変わって兄弟子が存在感をアピールした。

15番で奥から2,5メートルを沈め、16番では「3メートルも右に膨らませた」という長いフックラインのバーディトライを見事に寄せた。そして最後の18番はバンカーからのチップイン。
全英オープンでも活躍したというロフト58.5度、バンスは8度のウェッジが、雨でしめった砂の上で「とても良い抜けをしてくれた」と、ピンの根元も見えない状況から絶妙のアプローチ。

目撃した人々から手前2メートルくらいからきれいに転がって入った、と伝え聞くにつけても「完璧だったんですね」と、普段は淡々とした選手も大歓声を浴びてこのときばかりはニンマリと、頬が緩んだ。

今週の月曜日には契約メーカー「ヤマハ」が主催するジュニアレッスンに講師として参加して、普段からやっているテニスラケットを使ったトレーニングを紹介し、子供たちの前でお手本に10球ほど打った。
「プレーンがしっかりしていると、ラインに対してまっすぐ出ていく」と、それが本人にも改めて良いヒントになった。復調傾向に、拍車をかけた。

首位とは3打差。「ここは簡単にアンダーパーで回れるコースではないけれど。追いかける立場はやりやすい」と、今季3勝目をにらむ。

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