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東建ホームメイトカップ 2013
ジャパンゴルフツアー開幕戦PRイベントを開催(4月15日)【動画UP】
本当に、大勢のみなさんが集まってくださった。愛知県名古屋市内の中心地は、「栄(さかえ)」にある商業施設「オアシス21」。
イベントスペースの「銀河の広場」は広く吹き抜けになっていて、晴天に恵まれた4月15日月曜日のこの日は、ガラス張りの天井から太陽の光がさんさんと降り注ぐステージで、若大将が声を張る。
「僕はもちろん、選手はみんな、いよいよ国内開幕戦にむけて闘志を燃やしています。初戦から、熱い戦いを繰り広げられれば」。
女子ツアーの開幕から遅れること約1ヶ月。ジャパンゴルフツアーもようやく、18日から本格シーズンが始まるが、ともすれば「男子ゴルフは忘れ去られているんじゃないのか?」。すでに、ワンアジアツアーとの共同主管で2試合を済ませてはいるが、どちらの開催コースも東南アジア。
長いオフの間に、すっかり男子プロの影が薄くなったように感じる今の状況のまま、今週の「東建ホームメイトカップ」を迎えることを、池田はよしとしなかった。
この「ジャパンゴルフツアー開幕戦PRイベント」を、企画したのも池田だ。まずは前会長で、現副会長の倉本昌弘の協力を取り付け、当日に参加してくれるプロゴルファーの選出にもこだわった。
「再来週の中日クラウンズもからめて、特に中部地区のみなさんの注目を集めたい」。
開幕戦の開催コースの多度カントリークラブ・名古屋(三重県)にちなんで、このPRイベントに参加してくれたのは、倉本ほか年齢順に、上田諭尉(ゆい)も近藤共弘も、高山忠洋も上井邦浩も、みなここ中部地区にゆかりのある選手たちばかりだ。
「今年の男子ツアーは何かが違うということを伝えたい。ここ名古屋を皮切りにツアーを盛り上げていきたい。協力していただきたい」と、頭を下げた。年若い選手会長のたっての願いに二つ返事で応えた選手たちは、イベント直前の進行打ち合わせでも活発に意見を出し合い、短い時間の中で、いかに効率よく男子ツアーをアピールするかに心を砕き、気持ちをひとつにしてステージに出ていった。
はずだったのだが・・・。池田が舞台の袖で、あきれたように笑った。「俺たちプロゴルファーって、ホントにまとまりがないよね」と、愚痴をこぼしながらもこの日最年少の選手会長は持ち前のリーダーシップを駆使して、てんでにマイクを握って好き勝手にしゃべり放題の自由奔放な先輩陣も、上手にまとめた。
イベントは、サラリーマンのみなさんのお昼休みを狙って、12時15分から13時までを予定していた。このわずかな間にめいめい自己紹介と、質問コーナー「プロのここが知りたい!」と、「パッティングチャレンジ」に、「記念撮影会」と「サイン会」。
盛りだくさんの内容にも、選手会長は落ち着かない。トークショーの合間にも、腕時計にちらちらと目をやりつつ、「会社員のみなさんの、お昼休みが終わっちゃう!」。巧みな話術で大いにイベントを盛り上げつつ選手会長は、進行状況のチェックもぬかりない。
一から十まで、予定通りに事が運ばないと気がすまない。そんな池田の性格を知っているから、司会進行役の宮本武蔵さんも気が気でない。
それだけに宮本さんは、13時ちょうどからイベントの最後のサイン会が始まったころに、ついマイクを握ったまま言ってしまった。「勇太! 時間どおりに終われたよ・・・!」。
選手会長もにっこりと、満足そうな笑みで返した。
この日の様子をとらえるテレビカメラは10台を優に超えて、「多くのメディア通して男子ツアーはこれから盛り上がっていくというところをアピール出来たと思う」と、この日の成果を満足そうに語ったくせに、これだけでは飽き足らずに池田はこのあと倉本を引き連れて、改めて地元各局を訪ね歩いて、挨拶回りに余念がなかった。
「これを機会にひとりでも多くの方に、ゴルフに興味を持っていただき、ひとりでも多くの方に、会場に足を運んでいただきたい」と熱く語る池田に倉本が、ぽつりと言った。「勇太がゴルフで成績を出すことが、一番の集客にもなるんだよ」。
池田が5歳でゴルフを始めたころからその成長を見守ってきたベテランの心遣いだ。
倉本いわく、「勇太は走り出すと、制御が効かなくなるから」とは、自分のことはそっちのけで、会長職に奔走しがちな池田の体調や、本業がついおろそかになってしまいがちなことを、懸念している。
本人も、それを自覚しているからこそ“両立”は、今季最大のミッション。「今年は最低2勝はして、賞金王を狙う。その目標に向かって、あとはやるだけ」。さあ、2013年の幕開けだ・・・!!