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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2013

再開組の野仲茂は「将棋の言葉じゃないけれど・・・」【インタビュー動画】

第2ラウンドは、2日がかりのボギーなし。前日2日目はサスペンデッドになるまでの7ホールは17番まで「チャンスも多くて」。しかし、一転「一晩寝たら、ピンチが多くて」。
仕切り直しの3日目は、8時からの競技再開がさらに遅れて10時半から、野仲は17番のティショットからリスタートを切ったが、朝のうちは温帯低気圧に変わった台風15号の影響もまだ大きく、「風もあって、雨もパラパラ。計算がうまくいかない」と、苦戦しながら踏ん張った。

5番のパー4は、風に押し戻されて、120ヤード残った3打目。そこから真横に1,5メートルを残したパーパットは、目の強いコウライグリーンが、豪雨でなおさら「ジョリジョリいいながらも、入ってくれた」と、辛くも拾った。

そして最後の9番は、227ヤードのフェアウェイから21度のユーティリティアイアンで、みごとに2オン成功。2メートルは、絶好のイーグルチャンスを外したのは残念だがそれ以前に「2打目があれほど近くに寄っているとは思っていなかったので。びっくりした」と、むしろ思いがけないバーディ締めに、笑顔がほころぶ。

早朝は、芥屋の上空に雷雲が居座って、「今日も出来ないだろう」と、6時半のコース入りも、早く来すぎて損した気持ちになり、とりあえず駐車場の車の中で仮眠を取った。
当初の予定から、2時間半遅れの競技再開も、台風15号からの天候の回復も、野仲には想定外だったが「1打1打、大事にこなしていこう」と気持ちを切り替え、コースに戻った。

今季は開幕戦でシャンクを打ち、あのときの屈辱とショックは「思い出したくもない」。それ以来、アイアンショットを打つのが怖くなり、予選落ちが立て続いたが、この夏はひと月半の夏休みを有効活用。
“新学期”までに、きっちりと立て直して思い出の大会で、自信を取り戻すきっかけを作った。
2010年に、悲願のツアー初優勝を飾った先週の関西オープンで、13位につけてアイアンショットのたびに感じていた「怖さも半減」。
そして今週は最終日を前に、願ってもない位置につけた。
3打差の7位タイは、「僕は上に何人かいる中で、追いかける立場のほうがいいので」。
単独首位で最終日を迎えた経験もあるが、「逃げようとしても、逃げ切れなかった」。緊張してしまってダメだったから、このくらいの位置がちょうどいい。
ツアー2勝目のチャンスも、「意気込むのもダメなので。将棋の言葉じゃないけれど。勝って偶然、負けて当然。そういう気持ちでやりたい」と、謙虚に挑む。



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