日本オープンゴルフ選手権競技 2013

野仲茂が単独首位浮上【インタビュー動画】

2アンダーの11位タイから出た2日目は、「予選通過が目標だった」。プロ21年目の43歳だが、このゴルファー日本一決定戦は、これが3度目の挑戦だ。日本ゴルフ協会の主催は、通常のトーナメントとは出場カテゴリーが異なり、シード選手の常連であっても敷居が高い。

野仲は2010年にツアー1勝も例年、大会独自の予選会を受けるしかなく、「出たい気持ちはあっても、なかなか」と、今年も最終予選を最下位で突破してつかんだ3枚目の出場切符には、なおさら謙虚な姿勢で、予選の最終ラウンドを迎えた。

アウトの1番からのスタートは、最初にいきなり距離の長い難ホールが続く。始めから手探り状態で出ていっただけに、1番から立て続けに2㍍のパーパットをしのいで、ほっと胸をなで下ろす。そして3番で今度は2㍍のバーディチャンスを沈めて、「これで予選は大丈夫かな」と、やっと気持ちが少し楽に。

イーブンパーで折り返すと、「後半は、フェアウェイは外さないし、打てば寄るし、ほとんど完璧なゴルフでした。気づいてみたら、自分でもびっくりでした」と、17番では手前のバンカーからチップインバーディを奪い、最終18番では右の手前7㍍のバーディトライがカップに沈むと終わってみれば、66の好スコアについ頬も緩む。
「今日は予選落ちはしたくないなと思いながら出ていったのに・・・。出来すぎですね」と、声も弾んだ。

所属の横浜カントリークラブは「フェアウェイが狭くて、アップダウンがある。練習にはうってつけ」というホームコースで腕を磨いて、だからこのナショナルオープンのタフなセッティングも嫌いではない。
むしろ「目標を決めて打てるから好き」と、今大会は過去2度の出場も、“初戦”の2009年には初日に首位タイ(結果35位)。2010年は16位タイ。相性は悪くない。

ラフを警戒して、刻みに徹する選手も多い中で、「僕は飛距離が出ないし、スプーンのほうが曲がるので」と、苦笑いで「目の前にフェアウェイある限り、僕はドライバーで打ちます」。それでも、距離が残って2打目も長いクラブを持たされるが、3番と2番のユーティリティアイアンを駆使して、本人も思いがけない単独首位で大会を折り返した。
メジャー初制覇のチャンスも欲は皆無で「優勝とかより、なるべく上位にいけるように。ベスト10に入れれば最高ですね」と、控えめに微笑んだ。

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