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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2013

歴代覇者の手嶋多一は「ここに来れば落ち着いて」

ここ2年は毎年のように、終盤戦でばたつく。現役選手の中では最長の17年連続のシード権を守ってきたベテランが、今年もまたこうしてシード権の確保にあたふたしている一番の要因は、「歳ですね」。

45歳。ベテランの職人技は健在でも、「前みたいに体が動かない」。まして、この日は南国土佐も真冬の冷え込みに、強い寒風も吹きすさめば、なおのこと堪える。

現在、賞金ランキング68位はボーダーの72位には、少し余裕があるといえども、これまで数々の大どんでん返しを横目に見てきた手嶋には、安心など出来ない。
この日初日も、現在ランク75位はまだ賞金シードの“圏外”にいる久保谷健一が一時5アンダーのロケットスタートを目撃すれば、なおさら焦る。

「今日のケンケンみたいに、下からババっと抜かれることもあるので」。当面、自身最終戦の今大会は、予選通過が絶対条件の中で戦うという厳しさも、十二分に承知の上でも「ここに来ると、落ち着いてプレーが出来る」。

2007年の歴代チャンピオン。「もう6年前になるけど、優勝している」。その自信を糧に「ピンチになっても焦らずに出来る」と、この日も難条件下で、ボギーも2番のひとつにとどめた。
もしここで、大どんでん返しを食らっても、手嶋には生涯獲得賞金ランキング25位内の資格という切り札もあるが、一度その適用を受けてしまえば次は、再度賞金シードを獲得しない限り、その権利も1度きりという条件付きだけに、「出来れば使いたくない」。とっておきは、次の一大事まで大切にしまっておくためにも気は抜けない。
「こう寒くて風が強いと、ひとつのミスが、ボギーにもダボにもなる。気をつけてプレーがしたい」。
思い出の舞台も、石橋を叩いて歩く。

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