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関西オープンゴルフ選手権競技 2013

今年の“中部銀次郎杯”は大堀裕次郎さん【インタビュー動画】

チャンピオンと、喜びの記念撮影におさまった大堀さん。でも本当に欲しかったのは、隣のケネディが持っているものだった?!
おびただしい数のフラッシュを浴びて、とても目が開けていられなかった。第79回の関西オープンは大雨のため、最終日が中止となり、表彰式はクラブハウスのレストランで行われることになり、堂々の9位タイでローウェストアマチュア賞を獲得した大堀さんは、総合優勝のケネディにも匹敵するほどの注目を集めて、栄光の杯を受け取った。

伝統と格式のこのオープン競技では、同賞にアマチュア界の至宝と呼ばれた“中部銀次郎氏”の名を冠して、最高位につけたアマチュアを称える。
無数に鳴り響くシャッター音の中で、今は亡き氏の姿を模したブロンズ像を受け取った大堀さんは、「重い・・・とても重いですね。中部さんという方の、人の重さそのままに感じました」と、噛みしめた。
「嬉しいですね」と、その点では感無量でも、「今回は、優勝を目指していたので悔しい」。
大阪学院大学の4年生が、単独首位に躍り出たのは大会2日目。しかし、やにわに注目を集めた3日目は、「緊張した」とスコアを崩して9位タイに沈んだ。

5打差からの逆転Vを目指して出るはずだった最終日はしかし、雨に流れた。前日の成績が、そのまま最終結果となり大堀さんも不完全燃焼のまま、戦いは終わってしまった。

確かに本人も、当初に掲げた目標は「ローアマの獲得」。しかし開幕目前に、それは「小さな目標」でしかなくなった。師匠に叱られきゅうきょ軌道修正。「何を言ってる、優勝を目指せ」と、シニアプロの湯原信光にけしかけられて、本人もその気になった。

それだけに、アマチュアの最高位という栄誉だけでは、手放しで喜ぶわけにはいかなかった。「今日もプレーがしたかった。残念です」と、落胆を隠さなかった。

同学年の石川遼や、松山英樹に続く、アマチュアVも十分狙える活躍で、一気に注目を集めた4日間。次週は日本学生が、また来月には秋のリーグ戦もある。ツアートーナメントなら、パナソニックオープンや日本オープン。さらにはツアープロの登竜門であるQT受験も控えて、これから、ますます期待を担う一人になった。

石川、松山に続くスター候補は3日目には池田勇太と回って「まだまだ、実力の差を感じた」と、この経験を糧に「注目される中でも結果が出せる選手になりたい」と、さらなる飛躍を誓った。石川や松山とも「一緒に回って対決してみたい。負けたくない」。この夏の経験が、21歳のやる気にますます火をつけた。

※なお、今年の関西オープンは24人のアマチュア選手が参戦。その中で大堀さんのほか、2人のアマチュア選手が決勝ラウンドに進出しました。
東北福祉大学2年生の佐藤大平さんは、初日は大先輩の池田勇太とのラウンドと、ただでさえプレッシャーのかかる状況に加えてズボンのお尻が破けるハプニングもこらえて6位発進と大活躍。63位でサードアマチュア賞を獲得しました。

またセカンドアマチュアを受賞したのは58位につけた榎本剛志さん。開催コースの地元、兵庫県の関西学院大学の3年生がみごと栄冠を手にしました。

  • 今年、決勝ラウンドに進んだ3人のアマチュア。佐藤さん(右)は、さまざまなハプニングも乗り越えて、サードアマに輝く
  • セカンドアマには、開催地の地元、兵庫県の関西学院大学3年生の榎本さん。次のスター候補を目指して奮闘が続く!!

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