今年は初戦から２戦のアジアシリーズで２試合連続のトップ10入り。日本に戻って、開幕戦から２戦目のつるやオープンでは４位タイにつけているが、「そういえば、そんなこともあったっけ…」。自分のゴルフに対する不満のほうが勝っているから、もはやそれらも過去のこと。記憶から、あっさりと消えていた。

ボギーなしの65でまわって、３日目にして４位タイ浮上に「こんな良いのはいつぶりですか？ 本当に久しぶりです」と、自問自答の急浮上だ。前半は７番から３連続バーディで、ぐいっと順位を上げてきた。８番では、同組の片岡大育（かたおかだいすけ）のボールがキツネの兄弟（？）に盗まれた。

片岡は１メートルのバーディチャンスを持って行かれた。目撃していた人の証言を得て、無罰で置き直したが決めきれずに、それよりも50センチほど遠かった谷原のほうこそバーディ獲りに、「俺のは盗られなかったから、良かったのかな」と、冗談でその場を取りなしながら、もうひとり塚田陽亮も合わせて３人で、和気藹々のラウンドは「いろいろハナシをして楽しかった」と笑いの絶えないラウンドに。

久しぶりにノリノリで、13番では88ヤードの３打目を、ウェッジで直接入れるチップインイーグルも飛び出した。
「ここはグリーンにクセも目もあって、読めていない」とグリーン上の出来は「50点」と、満足度も低いが好調のショットは「80点」と、高得点の分野で「いかにチャンスを近くにつけられるか。早く勝ちたい」。３年ぶりのツアー通算10勝目に、34歳は本当に飢えている。

• 谷原 秀人
• 片岡 大育