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中日クラウンズ 2013
ついにアンダーパーはただひとり、近藤共弘が単独首位に【インタビュー動画】
5月とは思えない冷え込みに澄み切った空気の中で、雪化粧の頂きを見せていた。
シビアな1日になった。序盤こそ、数人がアンダーパーで粘っていたが、陽が傾く頃にはそれも、ついにたった一人だけとなった。
同組で回った片山晋呉と藤本佳則も、共に赤字で粘っていたが、力尽きた。
特に上がりの2ホールは、強烈なアゲンストの風に、難易度3位の17番と同1位の18番ホールが立ちはだかった。
脱落していく2人を横目に、近藤が粘った。
17番のパー3も、18番のパー4も、バンカーから乗せて辛くもパーを拾って「最後まで、よく集中力が持ったな」と、自分を褒めた。
地元愛知県出身は、2008年大会のチャンピオン。
和合の攻め方は心得ている。
「本来なら後半は10番か11番、12番のうちどこかで1つ取って、13番から耐えていく」。
しかし、この日は「パーを取るので精一杯。悪条件すぎて・・・」。
和合は確かに風が名物だ。「でもそれも、いつもは舞う風。方向が分からなくて迷う感じで」。
勝手が違った。
「今日は方向は、分かるけれども強すぎて・・・」。アマチュア時代から数えて、16回目のクラウンズも「こんな強い風は、今までにもなかった」。経験も、役に立たない。35歳の中堅も「もう難しいことは考えずにシンプルに。ただただ必死にやってきた」。
8番で、7メートルの下りのパットを決めるなど、奪った2つのバーディよりも、「ボギー1個というのが嬉しい。本当にナイスプレー。最高の滑り出しです」。
この1日で、すでに和合で4日間を、戦ってきたような倦怠感。「3日間分くらいの集中力を使い果たしたような感じで。よくキレずに上がって来られた」。同時に、ものすごい達成感。「あれだけ難しい中で頑張れた。なんか気持ち良いですね」。いきなり初日からこれほどの難条件を経験すれば、大会2度目のタイトルにむけて、怖いものは何もない。