自身初の最終日最終組は、ぶっちぎりのリーダーと一緒に、優勝争いというわけにはいかなかったが初シード入りを狙う塚田には、最高のクライマックスとなった。

最後の18番で、奥から５㍍のバーディトライをねじ込んだ。

あまりの喜びに、顔がゆがんだ。右拳を突き出しながら、相棒に駆け寄った。
今週は、仕事にあぶれて母国のシンガポールにも帰れずにいたハーミッドさんと、本当に急な初タッグ。人助けのつもりで、バッグを担いでもらうことにした。
塚田にとっては小さな親切心が、大きなご褒美となって返ってきた。
自己ベストの３位タイは獲得賞金も１２００万円を越えて、初シードへの大きな足がかりとなった。

「もう上出来ですね」。

藤本と小田の一騎打ちの様相に挟まれても、「自分のことで精一杯。朝から少しでも、追いついてやりたいという気持ちで臨んだ」という。
ハーミッドさんと二人三脚で戦い抜いた。これで、まだ出場権のなかった２週後のブリヂストンオープンにも、直近５位の資格で権利を得て二重の喜びに、これ１回きりのつもりだったのが、離れがたくなってしまった。
「これも縁なので。彼ともう１回組んでもいいな、と思っています」と再タッグも視野に、「今回の結果は自分だけの力じゃない。キャディや、応援してくれた人たちのおかげなので」と、いつも感謝の気持ちを忘れない28歳は、実りの秋にさらなる躍進を目指す。

• 塚田 陽亮