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ANAオープン 2014
ハッピーバースデー、遼!
毎年、主催者が用意してくださった特大のケーキに年齢分のろうそくを立ててもらって、それを無邪気に吹き消すのが恒例だったが23歳を迎えた今年は辞退した。一歩一歩、大人の階段を踏みしめて歩く青年には、それはさすがに気恥ずかしくて、それでもCAのみなさんに挟まれて、大輪の花束を受け取れば、今年もまた感謝の気持ちがいっそう増す。
「このコースでいつも、ひとつ年を重ねてから最初のラウンドをさせていただく。今回も良い23歳のスタートを切られるように頑張りたい」と、スポンサー契約社が主催するホスト大会への意気込みも増す。
初めて輪厚に来たのは、デビュー年の2008年だった。「あのときは、ただ無我夢中だった」。ピン位置も、風向きも、そんなこともお構いなしで、「何も考えずに、どんな状況でもティショットはドライバー」。17歳になったばかりの爽快なゲームプランがよりいっそう、ファンの心を捉えたのには違いないが、あれから5度の出場を重ねた輪厚では、いつまでも攻め一辺倒では通用しないと分かる。
「コースの難しさを感じ始めたのが2011年ごろ」。そして、2013年には米ツアーに参戦。本場の舞台でもがき苦しみ、今年もまた来季の出場権をどうにか確保して、戻ってきた23歳に、輪厚は「新しい課題」をくれたと感じている。
「以前は苦手だなあ、で終わっていた輪厚。でもアメリカでは、苦手なコースでも、粘ってやれるかどうかが問われる。それが出来たから、今の結果があると思うし、それを今年の輪厚でも、やれるかどうか」。
輪厚にこの2年の成長のあとを、示せるかどうか。「日本を代表するコースに戻ってくると、良くも悪くも、自分が変わったと感じる」。今の等身大の自分が良くも悪くもあらわになる。
その中で「コースの色に染まれるように、コースの要求に応えられるように、攻略しがいのある素晴らしいコースで、優勝を目指して頑張りたい」。
ホストプロが大会初制覇をにらんで逞しく、舞い戻った。