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日本オープンゴルフ選手権競技 2014
地元出身、池田勇太が2位に
「いや最後、獲ろうよ」。専属キャディの福田央さんに促されて、最後の9番は132ヤードの2打目をピッチングウェッジで、「左からの風にフックで充てて、右に戻して、高めに上げて、球の重さで落としてグリーンに止める」。周到に計算された
1打はみごとピンそば1.5メートルについた。
「下りフックのいやらしいラインを決められた」と、仕上げも完璧。「今日は最初のホールでは使わなかった」というパター。10番はチップインだった。グリーン左のラフから、サンドウェッジで10メートル弱をねじ込んだが、次の11番は左5メートルからのスライスラインを沈めて出だしの連続バーディはその後も13番の上りのスライスや17番ではのぼりのフック。微妙なラインを次々と沈めて、今週から投入した新しいパットが「そのまま結果に出てくれた」と、満足そうに頷いた。
「今年はパットが悩みの種で」。ほぼ毎週のように、パターをとっかえひっかえも「理想を言い出したらキリがないけど、追い求めるのがプロなんじゃないかな?」と、寸分の妥協も許さぬ試行錯誤も今週、ようやくひと段落だ。メーカーから届いたばかりの1本にひらめきを感じたことが、初日の好スタートにつながった。
毎年、いかにパーを拾うかという勝負になるのが常の日本一決定戦で、初日の6アンダーは「やってて楽しい面白い」。例年なら「ラフが長くて、グリーンはコチコチ。ピンの位置も振りまくりで、どちらかというと、アンダーパーを出させないセッティングはやっててもただ大変なだけだけど、今年は技量があれば、なんとかなる」。
ラフに入っても今までのように、ただ出すだけではない。「いろんなことを考えられるラフ」と、喜々としてコースと向き合う選手会長。
今週は日本を代表して、アダム・スコットに立ち向かう?
「いやあ、どんなに凄い選手でも、同じ舞台に立てばプレーヤーの一人。どんな相手であろうが勝つか負けるか。それが勝負の世界」と、意識しない。
今年の日本一決定戦は地元の千葉県が舞台で、ここ千葉カントリークラブ 梅郷コースも学生時代からいろいろお世話になっているはずだが、なぜかあまり記憶にない。「千葉でもこの辺りはあまり地元という気がしない」というそのココロは「高速を使っても、下道でもここまで1時間半もかかるし、混んだら2時間半は当たり前。地元だけど通えない」と、近くの宿から通っている。
「メジャーというくくりだし、初優勝の日本プロからメジャーでは、勝ってないから。もちろん勝てればいいとは思うけれども、今週もいろいろある試合のひとつ。そこまで言うほど特に、意識はない」と、気負いもない。