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三井住友VISA太平洋マスターズ 2014

自身初の首位発進! 塚田陽亮(つかだようすけ)は「バッバと回ったら、村のコンペになってしまう」

シード1年目の29歳が、初出場の今大会を首位で飛び出した。13番では、強風に枯れ葉舞うグリーンも、「めんどくさい」と、ろくに拾いもせずそのまま打って、「葉っぱに当たって、2度ほど右にコンコンって」。3パットのボギーを打ったあたりに性格のほどが伺えるが、そのほかは「ピンチもなく、危なげないゴルフができた」。

初めての御殿場は、噂以上に「グリーンの状態が、素晴らしくて。思ったとおりに打って外してもクソっとは思わない」。非の打ち所がないコンディションは「タッチやラインだけではなく、強弱とかいろんなことを考えさせられて。外しても、ああ俺のせいだったんだ」と、謙虚に受け止められるから、ストレスもない。

昨年まで藤田のエースキャディをつとめた梅原敦さんとの息もぴったりに、最後の18番ではピン奥7メートルに2オン成功に、2人してカメラ目線のドヤ顔で、グータッチを見せるなど、和気藹々のラウンドは「純粋にゴルフを楽しむことが出来た。風が強い中でも逆らわずに出来た。1打1打、ひたむきに出来た」と、自身初の首位発進を果たした。

初日の60位タイから、最終日には3位につけた。8月の「アールズエバーラスティングKBCオーガスタ」でもそうだったが「いつもは、ずっと気配を消してて、最後にしれっと上に行くのが僕」。

初日の出遅れは、周囲からも指摘されていることで、「言われ慣れ過ぎているけど。僕は上位にいると、自分らしくなくなるので」と言い訳がましく、本人にとっても珍しい好スタートにはバッバとの週末の直接対決も夢ではないが、「間違っても一緒の組にならないように気をつけたい」とは意外な答え。

全米屈指の飛ばし屋となんか回ったら、「村のコンペじゃないけど、ドラコンホールで力がぴゅっと力が入っちゃった、みたいな?」。
または「“よそもん”が来てるから、俺もいいとこ見せちゃうぞ、みたいな」。
いずれにせよつまりはバッバを前にして、自分を失い、余分な力が入ってしまうことを塚田は恐れているらしい。
「いまおかれている状況で、あくまでも、しれっとやれれば」。
2年連続のシード権をほぼ手中に入れても、その姿勢は変えない。

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