Tournament article

三井住友VISA太平洋マスターズ 2014

藤田寛之は6位後退も「フジタはまるでヒューリク」とバッバ

9番の2打目は「シャンク」。15番のダブルボギーは、左ラフからの2打目を左手前のバンカーに打ち込んで、さらにそこからグリーンの奥へ。

「自分は相変わらずショットがダメで。こういうときに、ぼろが出る」。本人としては、とてもV争いが出来るような状態ではないという。

決勝ラウンドからテレビ中継の放送ブースに座った師匠は「体の開きが早くて、ショットが右に出ている」とは、本人も感づいているとおりで、「そう言ってもらえると、良い修正ポイントになる」。

また、ラウンド中にしきりに気にしていた左手首は「力が入らなくて・・・。ダウンスイングで、クラブが戻ってこない感じがする」という弟子の不安も、師匠はちゃんと見抜いていて「左肩の痛みから来ている」と芹澤。

そんな満身創痍のゴルフでも、どうにか3打差の7位タイに踏みとどまって「大量出血にならずに、よく止めた」。
この日は共に最終組で回ったバッバも荒れに荒れたが、その中でも藤田には見所満載。

「1番のティショットはいきなりスピードについていけなかったけど。パワーだけじゃない。非常にコントロールされたショット。日本人にはない軟らかなアプローチ。上手く間を作って、球遊びをする感じが凄く共感が持てる。こういう球を打っているからオーガスタのグリーンでも止められるのだと思う」。

そんなバッバが、藤田に褒め返しだ。藤田のゴルフをして言った。「彼はジム・フューリクみたいなプレーヤー」。藤田自身も尊敬してやまないトップランカーは、メジャーに行くたびに一緒に記念撮影をしてもらう。師匠の芹澤のほかに、藤田がそこまで心酔する選手も珍しいほど。

「藤田はフェアウェイをキープして、グリーンに乗せて、確実に2パットでホールアウトする。非常に手堅く、素晴らしいプレーヤー」。まるでヒューリクのようだとバッバは言った。奇しくも、藤田自身も憧れる選手のようだとバッバに表され、これ以上ない賞賛を糧に、「今の状態ではいいコメントも出て来ない。優勝とかは、思いも寄らないけれど。とにかく明日やってみてですね」。
孔明のいない週末に、今季4勝目なら間違いなく、賞金レースは再びひっくり返る。

関連記事