Tournament article
三井住友VISA太平洋マスターズ 2014
武藤俊憲は復帰明けのV争いにも自信満々
「相当に良い状態であることは間違いない」と本人も確信した1打。絶好のイーグルトライは、強い西日の差すグリーンに、「影と、日向とその先にいきなりカップが出てくるので」と、読み切れずに外してしまったのは悩ましいが、足のケガから半年で、やっとここまでこぎつけた。
4番では風の判断ミスで、池に捕まりダブルボギーもこの日7つのバーディは、補ってあまりある。
ようやく先週に、テーピングは外れたがまだまだリハビリの真っ只中は「朝、起きると足首が硬くなっていることがあって」。毎日、こわごわ起き上がるし、ラウンド後のアイシングも、欠かせない。
完治を早めるには自分の手首からの移植手術という手もあると、医師から言われて即答した。「手術は避けたい」。医師も、プロゴルファーという職業柄を理解して、ひとまず様子を見ることになったが、経過が悪ければその可能性も考えるようにと言われており、まだまだ予断を許さぬ状態の中で、優勝争いに加わった。
課題のパットも前日2日目の平均パット数で1位。「僕がここまで良いのは珍しい」と、苦笑いで「師匠のおかげですね」。ツアーきってのパット巧者の谷口徹に「見よう見まね」で自分のものにしようと、取り組んできたひとつの成果だ。ケガで休んでいる間も、経過をメールで聞いてくれたり「一番、心配してくれたのも、谷口さん。ああ見えて、本当に優しい人なんです」。2年ぶりのツアー通算6勝目で、恩に報いる。