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カシオワールドオープン 2014
昨季のチャレンジの星も、堂々の初シード入り!
そのほか、同13位の張棟圭(ジャンドンキュ)や15位のS・H・キム。38位には豪州出身のレフティ、アダム・ブランドのほか、忘れちゃならないのがこの男だ。
今や、ツアーに一大勢力を築きつつある東北福祉大の元キャプテンがプロ入り10年目にして、その実力を証明してみせた。
昨年のチャレンジの星。K・T・ゴンがシーズンチケットをフル活用して初シード入りを果たした。
今季は序盤から、じわじわ頭角を現した。9位タイにつけたのは、つるやオープンと日本プロ。そこから3試合連続のトップ10入りは、なんといっても長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップだ。
自己ベストの3位タイで、賞金シードの当確ランプを灯してみせた。
韓国からの留学生ながら、阿部靖彦ゴルフ部監督にキャプテンに指名されたのは4年生のとき。「なんで僕が・・・?!」。電撃指名も、入学当初は言葉の壁に苦しみ、韓国語と日本語の辞書を必ず持ち歩いて分からない言葉があると、すぐにページをめくるなど、努力に努力を重ねる姿を恩師はちゃんと見ていた。2004年には日本学生を制するなどその実力とともに、チームメイトから集まる信望を考えれば当然の抜擢だった。
卒業と同時に2005年にプロ転向を果たしたものの、翌年12月には兵役について、38度線近くの陸軍基地に配属され極寒の地で冬は寒さに耐えながら、2年の任務を完了するうちに、すっかり出遅れたが、かつてのチームメイトの活躍を励みに、我慢強く重ねた努力を、またひとつ大きく開花させた今季だった。
今大会終了時点の賞金ランクは39位も、本人は納得していない。
「シード権が取れたことは良かったと思いますが、後半戦はダメでしたので」。痛感したのは体力不足。「ゴルフの内容は1年を通じて変わっていないと思うのですが、それでも後半は予選落ちが続いたり、結果が出なかったのは体力面」。特に、夏場以降が顕著で「イライラする回数が増えたのは、疲れからだと思います。そこが、トッププロとの大きな違いだと思うので。トレーナーとも相談して、しっかりと準備してまた来年頑張りたい」。この1年間の経験を糧に、このオフは体も心も鍛えなおして戻ってくるつもりだ。