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つるやオープン 2014

大会3勝目がかかる! 藤田寛之

大会2勝を誇る雄が、首位タイで飛び出した。2010年と2012年のチャンピオンですら、「例年になく、ラフが伸びてる。ショットの善し悪しの差がでる素晴らしいセッティング」と大絶賛の山の原で、生来の安定感が光った。

そして、屈指のパッティング。「もともと、ここのグリーンとの相性はいいので」と珍しく自信たっぷりに、前半は3番から4連続バーディを決めるなど、好スタートを切った。

毎年秋に、洋芝のライグラスの種を蒔く、ここ山の原は、春先のこの時期にもかかわらず、眼下に広がる美しい緑の“ジュータン”が評判だ。

「今年も種をいっぱ蒔かれて花粉症」。藤田はイネ科の植物にアレルギー反応があるそうで、ラウンド中も少し鼻をグズグズいわしながらも、「集中力はゴルフの命」と早めの投薬など普段から、その対策も万全に、プレーに支障が出るはずもない。

賞金王として臨んだ昨シーズンは、2度目のマスターズに備えて無茶をしすぎた。オフには肋骨の骨折が発覚して、どれもこれも中途半端なままに、1年が終わってしまった。未勝利に終わった2013年を返上しようと、今年のオフは体も相当に絞ってきた。

例年比がないからどうとも言えないが、今や体脂肪率11%は「少し、脂をしぼりすぎかな。パワーが出てないような気もする」と、今後改善の余地ありでもマラソンランナー並みの数値にベテランは胸を張る。
「僕らアスリートですから!」。

梅原敦さんと15年来のコンビを解消して迎えた初めての春。今週は、2007年に男女の賞金1位を担いだ清水重憲さんとの“臨時タッグ”で、改めてプロキャディのありがたみを実感している。
「今日は風の向きがころころ変わる中で、それを瞬時に読みきって、的確な番手を持たしてくれる。クラブを渡してくれる間合いの取り方とかグリーンの読みも、非常にやりやすい。やっぱり違いますね」と、感謝しきりの66。相性の良い山の原で、新キャディとのコンビネーションも抜群に、3度目のVロードを駆け上がる。

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