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TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Central 2014
池田勇太が切望した、小田龍一とのV争い
「ゴルフのことも、クラブのことも、僕よりもはるかに知っている」。2010年のANAオープンで、初めて一緒に練習ラウンドをして以来、「先生」と読んで頼りにしてきた池田勇太。
「本当に何も知らない僕にいろいろ教えてくれて、引っ張ってくれる。良い刺激です」。
2009年の日本オープンで得た複数年シードが切れる今年こそ、その存在の大きさを痛感している。
この日2日目は「なかなかない」、前半の12番と3番で、1日2度のチップインも、先週に池田から受けた特訓が生きた。
ドライバーと、アイアンのマッチングがいまひとつだと感じていたクラブセッティングも、メーカーとの折衝も、調整の段取りも、すべて池田任せで、ようやく安心して振れるようになった。
「でも今日、“龍”は6番でボギー?」と池田。いえ、ダブルボギーを打ちました。「欲をかいた」と頭を搔いた小田。
この日は朝からひどい寝違いの症状に、「左に首が曲がらないからヘッドアップをしなくていい」と、それを逆に良いことに前半は「一気に取れた」と、6バーディで折り返したは良かったが、後半は「欲が出た」と、苦笑い。
といっても、6番もそこまでひどく曲げたとは思わず、行ってみれば左のOBも「不運だった」と、さほどダメージも受けずに、その後は再び目下、テーマの「無欲のゴルフ」で、決勝ラウンドを前に、3位タイに踏みとどまった。
「最終日には“龍”としたいね、優勝争い」と、池田はこの日、「内容には納得がいっていない」といいながらも、66を出して10位に浮上。
年上のプロをして「あいつは、ああいう性格だから。俺と一緒に回ることで、いつも以上に気合いを入れて、戦いのムードを出してくれたらいいのにと思う」と池田は本当に、小田のことを心配している。
あえて先輩プロへの熱血指導も「結果として出てきたのは嬉しい」と、むしろ本人以上に嬉しそうに「せっかくのチャンス。絶対に逃して欲しくない」と、そこまで言った池田の思いに、小田は報いることが出来るか。