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フジサンケイクラシック 2014

池田勇太は思い出の大会で勝つ!

2日目の富士桜は風。「前半は、そよ風でも後半からビュービュー。あっちゃこっちゃ吹いてた」。加えて、難解なグリーンに「この富士桜は、狙っていって、獲れるコースじゃないんだ」。
じっと耐えて、チャンスを待つ。そしていざチャンスが来たなら、しっかりと獲っていく。コースとの駆け引きが一番の鍵を握ると池田は開幕前から言ってきた。

特に前半は難しいホールが続いて、「ボギーを打っても仕方ない」と、ボギー先行にも腐ることもなく、むしろ6番で下からの4メートルや、8番で右から7メートルの長いバーディトライも決まって「ラッキー」と、弾みをつけて折り返したインコース。

14番では主催者の意図も読み解く。この日は、前のティグラウンドを使用して308ヤードのパー4。「エッジなら、291ヤード」はもちろん、「狙うよ」。それがプロとして、求められていることだから。「魅せるゴルフをしなきゃいけないと思うからね」と、果敢に握ったドライバーは、みごとキャリーでワンオン成功。
17番のパー5も残り286ヤードから、2オンに成功した。
14番も、17番では上から7メートルのイーグルトライこそ外したが、いずれも楽々バーディで、公約に一歩大きく近づいた。

最後の18番はティショットのアドレスで、右親指のツメに虫が止まっていたことに気が付かずにそのまま打ったら、飛び立ったその虫が右腕を直撃。そのことに驚いて、右に曲げた。
でも「ボールどうのこうのより、何が起きたのか」と、キャディの福田央さんに事情を聞いて、合点がいった。
「虫パーで、ありがとうございました」とニヤリと、最後のピンチもしのいで上がってきた。

先週から言い続けている。
「これから3戦は、俺の週にしたい。勝ちにいく」。それぞれの大会に、それぞれの思い入れがあるが今週は「俺が初めてプロの試合に出たのがこのトーナメントだから」。
まだ16歳の、高校生だった。前年のジュニア大会で優勝を飾り、2002年に当時の開催コースだった川奈に挑戦するも、111位で予選落ちを喫した思い出がある。
あれから12年を経て今や押しも押されもせぬトッププロは、会場が移って10年目の富士桜を、ぜひ攻略したいと切望している。「この素晴らしいコースでぜひ優勝したい」。
2012年には金庚泰(キムキョンテ)と激しいバトルの末に2位。いろんな思いが詰まった舞台で、選手会長は頂上だけを見つめて歩く。

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