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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2015

3時半起き! 河野祐輝(こうのゆうき)が上々の滑り出し

ホールアウト後に大会の地元茨城県、NHK水戸放送のご当地どーもくん「なっとうどーもくん」と、アトムに挟まれてご満悦の河野。鉄腕パワーで明日も頑張れ!
このツアープレーヤーNO.1決定戦に出られることが分かったのは、大会週に入った月曜日の昼。昨年、シード落ちを喫して、出場優先順位をかけた昨季末のファイナルQTでも、ランク89位に甘んじて、厳しい今季は今週も当初は出場権がなく、「ウェイティングの一番目だった」。
現地で欠員が出るのを待って繰り上げ出場を狙う制度を利用して、どうにか出番を得ようと、準備をして家を出た矢先に受けた嬉しい知らせ。

勇んで挑んだ大会初日は、朝6時30分からのスタート。
この「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」は、1番から出て、やっと18番で、クラブハウスまで帰ってくるコースレイアウトを生かして、初日からずっと1番からの“ワンウェイ”方式に、どうしても朝のスタートが早くなる。

その第一組目に組み込まれた河野は、「今日は3時半起きですよ!」。でも、早起きもへっちゃら。「昨日は夜8時に寝たんで」。こんなに早くに床についたのは、何年ぶりだろう。「試合中でもなかなかなかった」。ぐっすりと寝て来た早朝の宍戸は心地よかった。
「グリーンもまだきれいだし、気持ちよくプレーが出来た」と2アンダーでスコアをまとめて上がってきたら、香川西高校の後輩の木下稜介も、まさに土壇場の出場権をつかんで、プレー中だと聞かされた。
しかし、木下が出られることになったのは、同高校のゴルフ部で河野がキャプテン、そして副キャプテンをつとめた大親友の片岡大育がスタート直前に、右手甲痛でやむなく欠場を決めたからだと聞いて、複雑な思い。
「稜介が出られるようになったのは良かったけれど、そうですか・・・。大育はやっぱりダメでしたか」。トレーニング中に痛めて、かなり痛がっていたと聞いていたから心配だ。

そして、2週前のことを思えば、ますます心中穏やかではない。関西オープンで、ツアー初優勝をあげた片岡。チームメイトの大金星に、最初こそお祝いムードも「だんだんとむかついた」。揃って日本ツアーの初シード入りを果たしたのは2013年でも、片岡はツアーの出場権がない時代にアジアンツアーに参戦。“初シード”というくくりでは、そちらのほうでは先を越されており、ようやく追いついたと思ったのに、またここで大きく水をあけられてしまった。

「頑張って、努力して自分も上を目指していかないと」。
せっかくシード選手の仲間入りも、昨年はさっそくシード落ちを喫したのは「自分に言い訳をしすぎたから」。13年は、日本プロで優勝争いの末に自己ベストの2位など、「本当に凄く良いプレーができて」。一昨年のオフはさらなるレベルアップを目指して肉体改造や、スイング改造に取り組んだのは良かったが「自分の足りないところを見過ぎて、いろいろ考えすぎて、ぼろぼろになった」。
調子を崩せば崩すほど、前年とのギャップに苦しむようになり「去年の自分はもっと出来たのに。自分はこんなんじゃない」。良かったころの残像を引きずって、ますます悪循環に。
「自分の持ち味をなくしてしまった」と反省している。
「今年は原点に戻ってやり直す」。心新たに歩き出した2015年。ツアープレーヤーNO.1決定戦で、その道筋を見つけたい。

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