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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2015

最年少ツアーメンバーは、今季本格参戦の18歳! 鍋谷太一が2アンダー

手引きカートをカラカラと引いて、キャディバッグを運んでくれるお父さんと、楽しそうに上がってきた。ファイナルQTランク20位の資格で今季、初の本格参戦の18歳。今季のQTランク91位までの選手を称する“ツアーメンバー”の中では最年少選手は「毎週、初めてのコースで、どう攻略しようかと、神経使って、体力使って、大変ですけどトーナメントは本当に楽しいです!」。

大阪府平野区出身は、関西弁の独特のイントネーションではしゃぐ。「先週の大会もそうでしたけど、コースに一杯リーダーボードとか、看板がたくさんあって。そういうにぎやかな中でプレーするのはすっごく楽しい」と、無邪気そのもの。

若いから、難しい宍戸でも、「いけいけどんどん。練習ラウンドでは、ドライバーで打って、行けるとこまでグリーンの近くまで行ってしまえ、と」。そんなプランを立てていた6番ホールは588ヤードのパー5。
しかし、いざ初日が始まって、1番から再三のパーセーブ。「2番でグリーンをオーバーしてアプローチで2メートルにつけてナイスパーを拾って、3番では2メートル半もショートしたのがナイスパーで、4番は10メートルを3メートルショート」。
硬くて早いグリーンが打ち切れなくて、5番でも10メートルから1メートル半残したのを辛くもしのいで、びびりながらやってきた6番でホールで「ひらめいた」。
いったんは、当初の計画どおり、ティーインググラウンドでドライバーを持った。しかし、「構えてなんか違う、と」。このコースは、そういうんじゃない。「クリークで、刻んでバーディ獲ろう」。念のため、かたわらのお父さんにも断って、持ち替えた。
「145ヤードの3打目は、ピンにがちゃんと当たって、べたピンについた」と野生の勘がみごとにはまった。

宍戸で初のバーディで、やっとなんだか落ち着いた。初出場の今大会で、2アンダーは「アンダーパーで回れれば、と思っていたので」。上々の出だしである。

幼いころは、本気でプロ野球選手を夢見た少年も、ティーチングプロの父、忠治さんの影響で、ゴルフを始めたのは8歳のとき。「早めになったほうがいいんとちゃうか〜」というお父さんのすすめで、プロ入りを決めたのは大阪学芸高校1年のとき。
身長177センチに体重は65キロと今も相変わらずひょろりとした体型は、お父さんに「もっと食わなあかん」と言われて、体作りに励む日々。
このオフは、米フロリダで2ヶ月の武者修行もした。当地のミニツアーや、米ツアーは「ファーマーズインシュランスオープン」のプレマンデー、つまり、大会週の月曜日に行われる予選会「マンデートーナメント」のさらに予選会に挑戦したり。「1打差で落ちましたけど、それも楽しかったし良い経験になっています」。
今月19日にはやっと19歳の若きツアープレーヤーが、青春を謳歌している。

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