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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2015
今年のツアープレーヤーNO.1が決まる!!
すでに5月に行われた日本プロゴルフ選手権日清カップヌードル杯はツアープレーヤー以外のプロゴルファーにも門戸を開いて“プロ日本一”を。10月の日本オープンは、プロアマ合わせた“ゴルファー日本一”を、それぞれ決める大会なら今週は、ツアープレーヤー日本一決定戦!
連覇を狙うのは、竹谷佳孝。
プロ9年目。ツアーデビューは7年目の昨年、重ねた努力をみごとに花開かせツアー初Vで、5年シードのメジャー優勝を飾っても、この選手は以前とちっとも変わらない。
スタート前。ティーグラウンドに入場してくるなりサンバイザーを取って、ぺこりと腰を折って右手を差し出し丁寧に挨拶。「竹谷です。よろしくお願いします」。その日、一緒について歩いてくださるマーカーや移動式スコアボードのベテランボランティアさんならおそらく、名乗らなくても名前はおろか、その経歴もよく分かっておられるだろう。
それでも、「僕のことなんか知らないでしょう」という謙虚さで、今も律儀に自己紹介をする折り目正しさ。
このオフは、1勝したにもかかわらず、JGTO主催の宮崎合宿に3年連続の参加。「おさらいの意味もあって」と、汗を流すメンバーの中でも、特に講師の面々の目を引いていた。
ラウンド合宿の合間に行われる講義の中心テーマでもある「4スタンス理論」の廣戸聡一先生は、“教え子”の成長に目を細めた。3年前とは明らかに体力も、安定感も見違えたばかりか、この合宿で得たものを、ただ鵜呑みにするだけではなく、自分なりにかみ砕き、本当に自分に必要なものを本能で選り分けて、地道に努力を重ねてきた。「彼の姿からは、明らかにその後が見えた」(廣戸先生)。だから、誰もが合宿初日からさっそく悲鳴をあげるトレーニングも、3度目の今年はもはや、つらくなかった。
むしろ、今では誰よりも軽々と高く飛び、誰よりも早く走れた。昨年の優勝はそのたまものにほかならないが、真価はそのあとだった。
「竹谷選手は初優勝のあとも、中だるみをしなかった。優勝して、自分の感覚をより信じることが出来たことで、そのあとも自分のペースを守り通すことが出来た。残り半年も頑張れた」。その後も再三の優勝争いで、賞金ランク10位に食い込んだことこそ昨季の竹谷の真骨頂だったと、廣戸先生は評価されたのだった。
長く“二軍”をさまよいながらも、夢を諦めなかった竹谷の奮闘は、後に続くものへの大きな励みとなった。
そして今年はなるか、大会史上初の連覇。はたまた、竹谷を阻止するニューヒーローの誕生か。
宍戸の森が今年も感動に包まれる。